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今期同様の利益成長を/日清食品~2025年方針を発表~

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最適化栄養食の基礎研究進む

安藤徳隆社長

日清食品は、2025年方針説明会を1月10日に京王プラザホテルで開催した。安藤徳隆社長が「即席めん事業」と「最適化栄養食事業」について、今期の進捗を振り返りながら今後の方針を示した。

日清食品は今ある価値の最大化を目指す「即席めん事業」と、新しい価値を創出する「最適化栄養食事業」の〝両利きの経営〟を推進。今期(2025年3月期)業績は、売上高2415億円(前期比104%)、コア営業利益305億円(同103.2%)での着地を予想し、「ほぼ計画通り」と語る安藤社長は、来期も今期同様の利益成長を目指す考えを示した。

国内の即席めん事業では、「カップヌードル」が8期連続、「日清のどん兵衛」が10期連続で過去最高売り上げを更新できる見通しに加え、「日清焼そばU.F.O.」が1996年以来、28年ぶりに、過去最高売り上げとなる可能性が高まった。さらに「日清カレーメシ」は200億円(市場価格ベース)ブランドに向けて順調に売り上げを伸ばしている。

「カップヌードル」は、昨年9月に発売した「エモい出パッケージ」が残暑の中でも売り上げ増加に寄与。さらに2年ぶりの実施となった「カップヌードルクエストⅡプレゼントキャンペーン」(2024年10月1日~25年1月31日)が期待通りの反響を呼んでいる。今年はこれまでのブランドコミュニケーションを引き続き強化するほか、フレーバー別では1月中旬からリニューアル発売する「チリトマト」の販売を強化(107%を計画)し、2月24日にリニューアル発売を予定している「カップヌードルPRO」シリーズは115%を計画する。

「日清のどん兵衛」は昨年9月に〝ぜんぶ東西分け〟を実現したことも奏功し、リニューアル以降は109%と好調。今年は最需要期(10~12月)以外のショルダーシーズンでの販売を強化していく方針。新しい喫食シーンの創出と、「きつねうどん」「天ぷらそば」以外のサブフレーバーを〝どん兵衛二軍〟と位置づけた提案を行っていく。

「日清焼そばU.F.O.」は、昨年3月に全国展開した「爆盛バーレル」が計画比120%と絶好調。Z世代ら若年層のニーズを掴んだ。今年は〝疲れた時は、ぶっ濃いU.F.O.!!〟を訴求していく。

5食パックから3食パックへと、袋めん市場のパラダイムシフトを狙った「日清ラ王3食パック」シリーズは、前年比133%と好調に推移。豊富なラインアップと3個買い訴求を力強く推進した効果もあり、ノンフライ袋めんジャンルでのシェアを逆転した。安藤社長は「今後大きなカテゴリーになる」と3食パックジャンルの成長性に期待を寄せた。

「日清カレーメシ」は、上半期が前年比127%と引き続き高い伸長をマークした。即席カップライス群の売上高は今期170億円(市場価格ベース)を予想。来期は200億円の突破を見込んでいる。

最適化栄養食事業については、病者向けやシニア向けなど様々な基礎研究が着実に進んでおり、安藤社長は事業の将来性に大きな期待を寄せた。商品では最新のフードテクノロジーを駆使し、33種類の栄養素とPFCバランス、カロリー、塩分量にも配慮した「完全メシ」ブランドを2022年5月から展開。売上高は今期70億円、来期は100億円の突破(市場価格ベース)を目指す。昨年9月に発売した「完全メシ カップヌードル 汁なしシーフードヌードル」がヒットした。

「完全メシ」の販売では、意欲的に取り組んだ一部小売業で想定を大きく上回る成果もあげており、冷凍帯ではウェルネス専用棚提案も行う。その冷凍食品はオンラインストアでの販売が女性層を中心に好調で、売上高は10億円を突破(11.4億円/計画比114%)。現在28メニューを販売し、売れ行き好調なメニューは一般ルートへの展開も行う。27年度には40億円を計画する。

この他、小売業のデリカや外食・中食、他の食品企業とのコラボレーション、企業の福利厚生につながる給食事業など幅広い分野での広がりを見せている。さらには明治安田生命とは、QOL向上につながる支援サービスで協業。またトヨタ自動車が建設を進めるToyota Woven City(静岡県裾野市)での取り組みなど、最適化栄養食事業は「日本を未病対策先進国へ」をスローガンに、食のWell-being実現の向上を目指している。

2025年1月20日付

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