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チョコ製造100周年 カカオの可能性追求/明治

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Newアクション第1弾

松田克也社長

明治は3月28日に都内で記者発表会を開催し、サステナブル事業「明治 2022 Newアクション」の第一弾プランについて、松田克也社長が発表した。

昨年策定したグループスローガン「健康にアイデアを」と事業方針「栄養ステートメント」に基づく同アクションは、バリューチェーン全体で取り組むための具体的な行動計画を示したもの。4年後にチョコレート製造100周年を迎えることなどからチョコレートの主原料であるカカオを第一弾に選び、カカオの新たな価値創造に取り組む。

カカオ生産国では森林減少や児童労働・貧困生活など多くの社会課題が未解決となっている。そのため明治では社員を産地9カ国に派遣し、品質管理や栽培技術を指南するだけでなく、併せて井戸や学校・インフラ整備などの生活向上支援も行っており、今後も継続する。しかし、これらだけでは貧困からの脱却が難しいと考えた同社では、カカオの未利用部分を有効活用することで、カカオの新たな価値創造を図る。まずは「カカオはフルーツ」という認識を広めていく。

昨年1月、カカオ豆から抽出した高ポリフェノール含有の新健康素材「カカオフラバノール」をソルベとして試験販売したところ、高評価を得たため22年度はドリンクやフードとして販売する予定。同様にパウダー状の新素材「カカオグラニュール」を使用したカカオ栄養食品も、年度内での販売を検討している。

また、これまで廃棄されていたカカオのカスカラ(殻)やハスク(皮)、ジャーム(胚芽)にはGABAなどの成分が含まれることを発見。食品化に加え、非食品領域として家具・建材や容器・包材・雑貨の素材に活用する研究も進めている。これら製品化は異業種との連携により実現させ、得られた経済的価値の一部は「カカオ・サポート基金」を設立し、その原資とする。

松田社長は「カカオは全体の1割弱しか使用しておらず、カカオの可能性を拓きたい」と語り、アップサイクル事業に意欲をみせた。Newアクションは第二、第三弾も予定されている。

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