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「丸亀製麺」復活に手応え/トリドールHD

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マーケティング企業・刀との協業で成果

外食大手のトリドールホールディングス(HD)は主力業態「丸亀製麺」の立て直しに向け、マーケティング企業「刀」と昨年9月から協業を開始。客数は近年前年割れが続いていたが、今年5月には前年同月比105%と成果が見え始めた。

「丸亀製麺」は2000年の創業以来、国産小麦粉に水、塩だけを加えたうどんを各店舗で製麺することにこだわる。そこに好みの天ぷらをトッピングする〝本場さぬき流〟が支持され、国内約820店舗、海外約200店舗を有するまでに成長。しかしメニューのマンネリ化、競合激化もあり客数減少が続き、16〜18年にかけては前年比95%と低迷していた。

この状況に危機感を抱いたトリドールHDの粟田貴也社長は、立て直しに向けて社内だけでなく客観的な経営視点が必要と判断。これまでUSJなど数々の再建に成功してきた森岡毅氏がCEOとして率いる、マーケティング企業「刀」との協業に至った。
両者は6月25日に都内で会見し、これまでの経緯と現状を説明した。

トリドール粟田社長㊧と刀の森岡CEO

刀の森岡CEOが「丸亀製麺」復活に向け着目したのが〝うどん〟。「毎日店内で製麺しているおいしいうどんこそ、他の店が真似できない最大の特徴だ」と力説。協業前は客数増加を狙い期間限定メニューを展開してきたが、「それでは短期的にしか効果がない」と指摘。新規客、リピーターを取り込むためにはうどんそのものを徹底的に訴求することで、うどん=丸亀製麺という構図を作る戦略に打って出た。

1月からうどんに焦点を当てたテレビCMを放映したところ徐々に客数が回復。月を追うごとに伸長し4月には102%、5月には105%とついに前年を上回った。

森岡CEOは「科学的、数学的見地によるマーケティング手法で丸亀製麺を復活させ、粟田社長を〝外食王〟に押し上げたい」と構想を語った。また粟田社長も「うどんは創業の原点。手作りのうどんを、できたての瞬間に食べてもらうところに丸亀製麺の価値がある」と力強い。さらに新たなキャッチコピー「ここのうどんは、生きている」を掲げ、「再成長を果たし、出店計画を加速させたい」と意気込みを見せた。

2019年7月1日付

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