サブスク新設で導入を後押し
ディスカウントスーパーなどを運営するトライアルホールディングス傘下で小売・流通業界に最先端IoTテクノロジーを提供しているRetail AI(東京都港区、永田洋幸社長)が、セルフレジ機能を搭載したショッピングカート「スマートショッピングカート」の次世代モデルを6月10日に発表した。
第3世代となる新モデルは、買い物かご1台が置ける小型タイプと2台置ける中型タイプの2種類で、それぞれスーパー・大型ショッピングセンターなどでの店舗利用を想定している。
タブレット端末とスキャナーがショッピングカートと一体化したデザインの新モデルでは、利用者の年齢・身長にも配慮するなどして使いやすさを追求。
ハード面では、素材を見直してカート本体を軽量化したほか、画面の見やすさや商品の入れやすさに配慮した設計で、マイバックを取り付けることができ会計後の詰め替えが不要に。
また、商品のスキャン漏れ時に発動する「自動検知アラーム装置」を搭載したことで、利用者の精算忘れや、代金未回収を防止する。
ソフト面は、ガイド機能を充実させ操作性・視認性を改良。加えて、完全AIにより270億件のID-POSデータから購買履歴や季節性などに配慮して推奨商品をリアルタイムで画面に提示する「レコメンド機能」を大幅に向上させた。
さらに、初期費用を半分程度に抑えられる「月額サブスクリプション」プランを新設し、導入へのハードルを下げる。利用料金は未定。
Retail AIの「スマートショッピングカート」は2018年2月に実店舗での正式運用を開始し、今年6月までに全国のスーパーなど38店舗で3640台を導入。同カートの利用率は41.2%で、利用者約65万人のうち半数以上が50歳以上となっている。
導入店舗では来店頻度が13.8%アップしレジ人件費は20%削減したが、Retail AI社では「完全無人店舗を実現するためのツールではなく、利便性を向上させることで利用者・店舗双方の負担を軽減するもの」としている。
なお同社では、8月にスーパー「トライアル」でテスト導入した後に国内で本格導入し、2022年以降での海外進出を目指す。欧米や中国など、カートで買い物する文化圏でのスーパーなどにおいて展開する計画。
「Retail AI」公式サイト
https://www.retail-ai.jp
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