THE FOOD WEEKLY

関西 インタビュー 外食

意味消費時代の価値を創造/がんこフードサービス 小嶋社長

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鍋、新・忘年会〝以外〟のキーワードで需要対応

小嶋社長

暖冬、消費増税、忘年会の敬遠など、外食市場を取り巻く環境は厳しさを増している。従来の必勝法が通用しない中で、大阪外食チェーンの雄・がんこフーズが打ち出す対策とは。小嶋達典社長に話を聞いた。

―2019年を振り返って。
災害や暖冬により厳しい1年だった。例年、11月ごろから鍋需要を喚起する施策を投入するが、年々反応が薄くなっている。さらに12月の忘年会商戦も厳しい。企業によっては忘年会という言葉を使わなくなっており、この時期は忘年会、新年会以外の利用動機を考えていく必要がある。

前期(7月期)は「備え」をテーマに掲げていたが、結果としては備えが不十分だったと反省している。災害などには対応できていたが、暖冬などの天候不順や消費動向が大きく変化していることには、備えられていなかった。

―業績の推移は。
7月期の既存店は前年比103%程度で着地した。第1四半期は95%で推移。10月の消費増税による、買い控えが影響している。ランチ需要は増税前と変わらないが、夜の飲食には影響が見られ、これが10月の苦戦要因となった。11月からの鍋商戦で巻き返したかったが、寒くなければいくら「半額」などを提案しても敬遠されてしまう。12月も同様の流れで、忘年会の予約も96%(12月20日現在)。増税後の価格戦略は上手く浸透しているだけに、集客の目玉である鍋需要が確保できないのは辛い。今後の秋冬商戦は、いつでも鍋が提案できる用意を整えた上で、鍋以外のメニュー強化、忘年会・新年会以外のキーワードで、需要対応できるようにしていく。

なお、インバウンドは18年に続き19年も、140万人程度が当社店舗に来てくれた。ただ団体客から個人利用へとシフトしており、当社のように宴会メインの業態には厳しい。一方で海外企業の会議や研修旅行、展示会などの誘致によるMICE需要は増加。一度に700人が来店、店舗を分散して対応したことも。こうした需要には大箱店舗の強みが生きる。

―店舗展開について。
19年は「京都二条苑霞が関店」や惣菜・弁当の「ななな中津店」、リトル沖縄オーバーシーズとしては関西初出店の「あしびなー」などを出店。さらに当社初の海外進出となる「莞固和食 林口本店」(台湾)ほか上海にも出店、近く香港にも出店する(いずれもFC展開)。

海外店舗の売上はそれぞれ1.5億円規模を予想。国内と同様の和食店として展開したい。海外では日本人以外のオーナーが運営する、いわゆる〝なんちゃって和食店〟が横行する傾向にあった。今では日本を訪れる外国人が増え、本物の和食を知ったことから、和食もどきは通用しない。国内では「ななな中津店」が、オフィスとマンションの両需要を確保できている。既存店でもお屋敷「高瀬川二条苑」などは平日でも満席となり団体客も入っている。

20年も国内(関西)で3出店を予定しているが出店加速には至らない。運営できる人材集めに苦慮するからだ。当面は30~50坪規模の店舗を居抜きで出店する方針。関西および東京での出店が続くだろう。他のエリアも魅力はあるが、ドミナントを考えると展開エリアは限定される。ただ、駅に近い立地は確保したい。大阪・梅田を例にとっても、駅周辺はいぜん開発が進んでいる。

―メーカー機能について。
当社で製造する豆腐や豆乳などを、他の外食店にメーカーとして販売することも視野にある。同様にセントラルキッチン(CK)を活用し、他の外食店の商品作りを請け負うことも今後、考えて生きたい。これからは協業の時代であると、商品部にも伝えている。

―20年の方針は。
「備え」を継続しながら「価値創造」を追求していく。今の外食店は、商品・サービスレベルとも、大きな格差はないと考える。各社が一定レベルを維持する中、選んでもらえる店になるためには価値が必要。モノ消費からコト消費、さらに今では意味消費の時代と言われるが、この意味=価値となる。あるメニューを注文すると、その内の数%が被災地支援に寄附される。あるいは特定産地の魅力を伝え、その産地で獲れた魚を消費することで産地が活性する。こうした意味提案を従業員全員で考えていく。

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