無人レジの実証実験を2店舗で開始
近商ストアは3月4日~4月12日まで、スマートフォンの専用アプリと映像解析技術を利用した無人レジの実証実験を行っている。3月12日に松原店(大阪府松原市)で概要を公開した。
人手不足によるレジ混雑の緩和を目指し、セルフレジやセミセルフレジの導入が進む。一方で電子マネーの利用も拡大。さらなるレジ業務のスピード化、待ち時間をなくし顧客ストレスの解消を目的に無人レジの検証に乗り出した。新レジシステムは従来のレジ機器・システムを供給してきた東芝テックが担う。
実験期間では1日当たり10人限定でモニターが無人レジを利用。レジアプリを搭載した専用スマートフォンを貸与されたモニターは、店舗認証のための2次元コードを読み取り買い物を開始。購入商品のバーコードをスキャン(商品登録)する内に、スマホに買得情報など販促提案(リアル販促)が届く。買い物が終了すると専用会計機でセルフチェックアウト(検証中は現金かKIPSカード=同社プリペイドカード決済のみ)。こうした使い勝手の良し悪しなどを検証する一方、映像をAI解析することで、商品登録だけでなく詳細動作を解析し不正検知、顔認証による不正抑止などセキュリティ対応も検証する。
モニター女性からは、「めっちゃ簡単!」と買い物がより楽しくなることや通常よりも精算が早いこと、買い回り中に購入金額が分かるため、買い過ぎかどうかも確認できる等のメリットが聞かれた。一方、通常はクレジットで決済するため、無人レジでもこの対応が必要であるほか、少量購入の場合は便利だが、「購入量が多いと無人レジの利用は難しい」と課題も指摘した。
同店では弁当や惣菜、飲料など限定した売り場に5台のカメラを設置して検証。今後は仮に全店舗で本格導入した際の投資額や投資回収の期間、現状と比べ結果的にどの程度のコスト削減が図れるのかは、こうした検証を続けながら把握し、実用化には1年内に目処をつけるという。
【実験概要】実施店舗/松原店(実験期間3月4~29日)、ハーベス上本町店(3月15日~4月12日)▽モニター/各日先着10人まで(カード会員限定※受付は平日10~15時まで)▽非対象品/酒・タバコ等(20禁商品)、値引商品、雑誌・衣料品▽決済/現金、近商電子マネー(クレジット、値引・商品券、ポイント利用は不可※購入分のポイントは通常どおり進呈。サッカー台にレジ袋、箸類などを置き、キャンペーンシール配布などはサービスカウンターで行う)
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