「製造順」より「賞味期限」を重視 セブンで運用開始、サミットも実証へ
飲料大手5社で構成する「社会課題対応研究会」は、物流の効率化と食品ロス削減を目的に、清涼飲料の納品ルールを見直す取り組みを本格化する。セブン‐イレブン・ジャパンでは今週から運用を開始し、サミットでも7月下旬から一部店舗・一部商品で実証実験を始める。
今回見直されるのは、「納品時賞味期限の緩和(製造ロットの逆転許容)」という仕組みだ。難しく聞こえるが、賞味期限が同じ商品であれば、製造された順番が前後していても納品できるようにするというもの。品質や賞味期限は変わらず、物流現場での運用を柔軟にすることが狙いだ。
これまでは、同じ賞味期限の商品でも製造ロットの順番が逆転しないよう調整するため、追加の輸送が行われることがあった。しかし、調整ができない場合には店頭に並ぶ前の商品が廃棄されるケースもあり、物流負荷や食品ロスの一因となっていた。
飲料は賞味期限が比較的長い商品が多いことから、製造順にこだわる必要性は低いと判断。製造ロットをそろえるためだけの輸送を減らすことで、トラックドライバー不足が深刻化する「物流2024年問題」への対応や、食品ロス削減につなげたい考えだ。
研究会が実施した消費者調査でも、加工食品の賞味期限を気にする人は生鮮食品に比べて少なく、ペットボトル飲料では店頭で1カ月程度の製造ロットの違いがあっても約9割が購入すると回答しており、消費者の購買行動への影響は限定的とみている。
今回の取り組みには、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリービバレッジ&フードの5社が参加。セブン‐イレブン・ジャパンが先行して運用を開始し、サミットでも一部店舗で実証実験を行うなど、賛同する流通企業との連携が広がり始めている。
研究会では今後も、農林水産省をはじめとする関係省庁や異業種の物流研究会との意見交換を進め、物流問題や食品ロスなど、企業単独では解決が難しい社会課題への取り組みを強化する方針だ。今回の納品ルール見直しに賛同する流通企業をさらに増やし、業界横断で持続可能な物流体制の構築を目指すとともに、物流効率化と食品ロス削減の両立につなげていく考えだ。
WEB限定記事



