居酒屋に乾杯セット提案
キユーピーは8月1日に渋谷本社で業務用の秋の新商品発表会を開催。フードサービス本部の岩田清司本部長が、今年度上半期の販売状況などについて説明した。
外食市場におけるサラダの食数はコロナ禍で半減した。昨年秋からようやく戻り基調となり今春以降は急激に回復するも、人手不足が深刻化。加えて、高騰し続ける食油相場と鶏卵相場への対応策としてオイル低減商品や、植物性の代替卵商品を昨年秋と今春にラインアップ。満足感のある味わいや具材感、卵アレルギーにも対応可能なことから「当初想定以上の高評価を得た」としている。
下期の販売戦略については、サラダ需要の回復を図ると共に、卵メニューを一部復活させる。休売メニューがあったことも背景に卵加工品ニーズが各業態で高まっており、一例として「お月見」メニューをベーカリーなどに提案する。また居酒屋向けには、乾杯直後にサラダを食べる「カンパイ、サラダ。」のセット販売を提案。急激な血糖値上昇を抑制できることを訴求ポイントに、用意しやすく食べやすいサラダメニューを業種別・形態別に提案していく考え。
一方で多様なニーズに応えるのが9月1日に発売する新商品7品、リニューアル8品の計15品。
注目は、調理食品スノーマンブランドの新商品で豆シリーズ3品。ホテルレストランからのニーズによるもので、訪日外国人も意識したプラントベースのビュッフェ向け商品。
「豆ともち麦の豆乳仕立て」は白いんげん豆がベースでもち麦入りのホワイトソース、「ひよこ豆のカレー仕立て(チャナマサラ)」はクミンシードのスパイス感が食欲をそそるカレー味、「赤いんげん豆のトマト仕立て(チリビーンズ)」はトマトベースに野菜エキスのうま味が調和したチリ風味。異なる豆を主原料に味・色・食感に違いをもたせたのが最大の特長で、皿に盛り付けやすい粘度にもこだわっている。今後ホテル向けには、新商品を含むプラントベースメニューの提案を加速させる。
なお、卵加工品については今季での新商品は見送り、来春向けに開発を進めているという。しかし岩田本部長は、今冬に鳥インフルエンザが再発しなくても「平常化までには1年超を要する」との見通しを示した。
2023年8月28日付