大豆ミートで繊維感を実現
不二製油グループ本社は7月7日にプラントベースフード(植物性食品:PBF)戦略説明会をホテルニューオータニ(東京都千代田区)で開催。PBF製販会社である不二製油の大森達司社長が、PBF事業の新たなコンセプトと新製品について発表した。
国内外でPBF市場が急成長を続ける中、50年以上前から大豆たんぱくが主原料の肉状製品を販売してきた同社。近年では乳化・発酵技術を融合した高品質PBFを次々に開発し、国内市場のけん引役を担ってきた。
今回PBF事業において、新技術やおいしさにこだわった製品群を「GOOD NOON」として位置づけ、製販コンセプトを明確化した。社会課題解決型である同製品群は、新製品開発にあたってはホテル・飲食店・総菜販売店などとの共創を中心に、自社製品も開発する。その際には消費者視点を重視し、SNSでの情報発信や、ECサイトでの販売も強化する。大森社長は「GOOD NOONをいずれブランド化したい」と話した。
また、同コンセプトのもと開発した新製品が「プライムソイミート」で、同日発表された。大豆と油脂の加工技術を応用したプライムテクスチャー製法により、これまで不可能とされてきた肉のような繊維感と噛み応え・口どけの両立を実現。乾燥タイプと水戻し不要の冷凍タイプの2品で、煮込みや焼き肉など多様なメニューに利用できる。
ホテルニューオータニでは館内レストランで、同製品を使用した「大豆ミートシチュー」をはじめ、共創により開発した「エビカツ」のバーガー、不二製油独自の新製品「ソイウニ」を使用した胡麻ダレ麺などのPBFメニュー9品を、8月から順次提供する予定。
今後のPBF新製品については、代替卵はすでに共創製品が食品メーカーから発売されており、バリエーションを増やして自社製品化する考え。代替魚介類はウニ・エビカツに続く新製品として現在マグロ(ツナ)を開発中で、主原料が大豆以外のPBF研究にも着手した。これらによりGOOD NOON製品群を第3の事業柱に成長させ、2030年までに全体の2割を占める売上高1000億円を目指す。
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