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店内生産の野菜を売り場へ直送/西友

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「植物工場」導入により無農薬野菜を低価格で供給可能に

西友大森店5階にある植物工場内部は外側の窓から誰でも見学できる(下)

採れたての新鮮野菜をすぐ売り場へ―を実現する。
大手スーパー 西友の旗艦店である大森店(東京都品川区)では店内に「植物工場」を設置し、3月5日に収穫された野菜の販売を開始した。
同店舗では、収穫してすぐに個包装された採れたてグリーンリーフレタス50株が毎日、地下1階の青果売り場にある専用ケースにて、1株147円(税込)で販売される。

レストラン・映画館のある5階の専門店フロアに設置された「植物工場」。
約50坪の工場内ではグリーンリーフレタス約365株が生産され、大森店を含む東京・千葉・埼玉・茨城の27店舗に供給する。

大森店内の植物工場では、種まき・育苗・収穫までの作業を専任スタッフが行う。
収穫までに要する栽培期間は35日間で、水耕栽培装置で栽培中の野菜には農薬を使用しない。

西友が店内に植物工場を設置したのは、大森店が2店舗目。
第1号は昨年2月に導入した上福岡店(埼玉県ふじみ野市)で、栽培や販売ノウハウを積んだことで、首都圏の生産拠点をも担う大森店への導入に至った。
西友上福岡店・大森店に技術提供を行っているのは、植物工場に関する研究開発や運営コンサルティングなどを行っているプランツラボラトリーのグループ会社であるLEAFRU社。
植物工場は初期導入コストが高く販売価格も高額になりがちだが、プランツラボラトリーが東京大学と共同研究により開発した技術により、導入コストを半分以下に抑えられる。加えて、水耕パネル直下の養液部分が1cmと薄いなど、一般的な水耕栽培装置とは異なる技術やノウハウが多々盛り込まれたシステムであることも大きな特徴であり、収穫量の増加や狭小スペースでの設置も可能としている。

西友が店内植物工場を導入するきっかけとなったのは、客からの声「新鮮な野菜」「安全安心な野菜」に対応するためだが、何よりも重視したのは安定供給であった。
収穫量が天候不順・異常気象に左右されないため品質維持が比較的容易で、年間を通して一定価格で提供できる。

安全・安心の採れたて新鮮野菜を低価格で提供できる、店内植物工場。
大森店では現在グリーンリーフのみ栽培しているが、他の野菜についても試行する予定。
また西友では、上福岡店・大森店でのノウハウや販売実績をさらに蓄積することで、他店舗での展開も今後検討していく。

大森店の店内植物工場(内部)

大森店 地下1階の青果売場では1株147円(税込)で販売

西友
https://www.seiyu.co.jp/

プランツラボラトリー
https://www.plantslaboratory.com/

LEAFRU
https://www.leafru.com/

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