家庭内摂取がさらに普及
日本豆乳協会が5月20日に発表した2020年1~3月期における豆乳類生産量は、前年同期比106.8%の9万4063㌔㍑となり、豆乳(無調整)を中心に市場は伸長が続いている。
分類別では、最も伸び率が高かった豆乳(無調整)の生産量は2万8219㌔㍑(127.3%)、生産量が最も多い調製豆乳は4万6879㌔㍑(103.5%)だった。果汁入り豆乳飲料は3841㌔㍑(113.5%)、コーヒーや紅茶などのフレーバー系豆乳飲料(その他)は1万3341㌔㍑(108.6%)と全てのカテゴリーで順調に拡大し、出荷量も同様の傾向を示した。
一方で、主に業務用として生産しているその他に分類される豆乳は1783㌔㍑(35.9%)と大幅に減少した。新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増え、飲食店での外食を控え始めた時期と重なることから、自宅での消費量は大幅に増加し、業務用豆乳の生産量は減少したとみられる。
家庭用は豆乳の特長や成分の優位性に触れる機会が増えたことが要因となり、豆乳(無調整)や調製豆乳等の豆乳愛飲者のリピート購入が増加。さらに冬場の豆乳(無調整)を使った料理需要の拡大も後押しした。新型コロナウイルスの影響により、以前と比べスーパーに足を運ぶ回数を減らすなど、生活者の買い物の仕方にも変化が現れており、長期保存が可能な豆乳の需要がさらに高まったことも市場拡大の要因となった。
また、家庭用は商品の投入のみならず、豆乳の新たな楽しみ方などを提案する活動にも注目が集まる。キッコーマン飲料では、これまで新しい豆乳の楽しみ方として、パックのまま凍らせる夏場の「豆乳アイス」やカップに移して温める秋冬の「ホッ豆乳」を紹介。今春はこれらの楽しみ方に加え、ゼラチンを加えて冷やし固める「豆乳プリン」を提案している。5月28日からの「豆乳でアイスを作って食べよう!」フォロー&リツイートキャンペーンを皮切りに、「豆乳アイス」と「豆乳プリン」のキャンペーンを実施。ホームページやSNS、店頭などを通じ、作り方やおすすめのアレンジも紹介する。
マルサンアイは商品を製氷カップに移し、冷凍庫で凍らせ、かき氷機で削るだけで、蜜なしでも濃厚なかき氷として楽しめる「豆乳飲料かき氷れん乳風味」「同かき氷れん乳いちご風味」(200㍉㍑、90円)を発売。飲料とかき氷のスイーツ要素を兼ね備えた新商品として、夏場の需要拡大と豆乳市場のさらなる成長を目指す。
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