THE FOOD WEEKLY

TOP NEWS 飲料 嗜好品 菓子

高付加価値でクオリティ・オブ・ライフ向上に貢献(深谷新社長)/ネスレ日本

投稿日:

高岡社長は新会社で新たなる船出へ

高岡社長㊧と深谷常務

ネスレ日本は3月10日に「2020年春 事業戦略発表会」をネスカフェ原宿で開催。新型コロナウイルスの感染拡大を考慮したライブ配信形式で行われ、高岡浩三社長兼CEOと、4月1日付で新社長に就任する深谷龍彦常務が登壇して業績、事業戦略を説明した。

2019年12月期のネスレグループの業績は売上高926億スイスフラン(約10兆1600億円)、オーガニックグロース(OG=為替変動、買収売却などの影響を除いた売り上げ伸び率)前期比3.5%、実質内部成長率(OGから価格変動を除いた数量ベース伸び率)2.9%、営業利益率17.6%(60bps増=0.6㌽増)。ネスレ日本は売上成長率3.3%増、営業利益額11.2%増、営業利益率260bps増(2.6㌽増)。いずれも増収増益となり、高岡社長は「社長任期中の締め括りとして、満足いく業績」と評価した。

また高岡社長は10年11月からの社長在任を振り返り、「グローバルに通用する日本的経営にまい進した」と回顧。高い企業ロイヤリティーの醸成、ワーク・ライフ・バランス(人事改革)の実行、イノベーションカルチャーにあふれた生産性の極めて高い経営の実現に従事してきた。

社会の課題解決に向け、「マーケティング」を活用した取り組みは高岡社長の代名詞となった。共働き世帯の増加で拡大するオフィス需要に着目した「ネスカフェ アンバサダー」、インターネットの普及により「デジタルトランスフォーメーション」を駆使したEコマース、WEBサイトの活用は事業拡大に寄与した。社内では従業員が事業化に向けアイデアを出し合う「イノベーションアワード」の浸透にも力を入れた。

「ネスレでやり残したことは何もない」と晴れやかな表情で言い切る。しかし「新しいことはまだまだやりたい」と話し、今後は新会社を立ち上げ新たな挑戦を始めるという。「これまで培ったデジタルトランスフォーメーションを活用した、企業プロデュース業を行う」と構想を明かした。

一方、深谷常務はこれからのネスレ日本が目指すビジョンを説明。安全安心、おいしく、心にも体にもうれしい製品作りはもちろん、環境配慮、スピーディーかつイノベーティブにこだわった高付加価値サービスを推し進め、「消費者、取引先、ネスレ日本の従業員とその家族のクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献する」と宣言した。

20年の事業戦略としてはプレミアム化、プラスチック削減、Eコマース、外食ビジネス、プラントベース(植物由来)をキーワードに挙げる。事業領域では家庭外需要の拡大を見込みオフィス向けの「ネスカフェ アンバサダー」「We Proudly Serve Starbucks事業」、高齢化社会に応える「ネスレ ヘルスサイエンス」、ペットに対する癒し需要に向けた「ネスレ ピュリナ ペットケア」を強化していく。

「高岡社長は人事制度を見直し、非常に働きやすい環境を整えてくれた。私も見習うべきことは見習う一方、事業拡大のためには既存事業を壊す覚悟で挑む」と強い決意を示した。

また高岡社長は深谷常務を次期社長に決めた理由について、「1~2年前から自身の進退、次期社長を考えていた。何人か候補者がいたが厚い人望、イノベーションアワードの積極参加など人材育成能力も高いことが決め手となった」と説明。

深谷常務も「この数年、高岡社長だったらどのように取り組むかを考えながら仕事をしてきた。人口が減っていく日本市場で成長するためには、より付加価値の高いサービス提供が必要。今後の事業を通し独自色を打ち出していきたい」と応えた。

WEB先行記事

-TOP NEWS, 飲料, 嗜好品, 菓子

Copyright© フードウイークリーWEB|週刊食品 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.