食品業界関係者を対象に未来ビジョンを示す
レシピ動画「DELISH KITCHEN」等を運営するエブリー(東京都港区、吉田大成社長)は10月15・17日の2日間、食品業界関係者等を対象とした第1回イベント「OMO Meetup―Produced by every,inc.―」を開催した。
「DELISH KITCHEN」は全てのユーザーと小売店、メーカーをつなぐ〝食のプラットフォーム〟を目指し、SNSフォロワー数は400万人以上、アプリダウンロード数は1600万を突破。そして、月間動画再生回数は6.1億回以上に達する。全てのレシピを約30人の管理栄養士が監修し、手軽に入手できる食材と一般的な調理器具、簡便調理が特徴のレシピを毎日動画配信している。
また、同社には食品卸大手の伊藤忠食品が約25億円を出資して7月16日付で資本・業務提携を締結。店頭デジタルサイネージを中心にしたリテールサポートプログラムによる集客と販促支援事業で協業を始めている。
本イベントは「食」に関わるプレイヤーをデータとAIの活用で結び、各プレイヤーがより良い体験を提供できるプラットフォームを目指すビジョンを示した。
時代は「O2O(Online to Offline)」のステージから、「OMO(Online Merges with Offline)」へのシフトが加速する。オンラインデータを利用してオフラインの販促活動を活かす時代から、オンライン・オフラインの垣根にこだわらずモノやヒトがサービスにふれ、得られる経験を主軸に考える。データは属性で捉えるのでなく、個人に紐付けるという考え方という。
すでに中国の「フーマー」が注目を集めている。1年間で65店舗を出店。実店舗の他に、オンライン注文の流通センター、ロボット運営のレストランなど幅広い。決済システム、店頭サイネージ、体験型鮮魚コーナーなど先端技術が導入されている。
同社のDELISH KITCHENカンパニー・OMO事業部長の鵜飼勇人執行役員は、2020年以降に5G、IoT時代が到来し人々の暮らし、ビジネスが大きく変化すると指摘。そのカギを握るのが「OMO」の浸透を挙げた。OMO浸透の条件はモバイル決済の普及、センサーの普及、ロボットや人工知能技術の普及の3つ。そして、DELISH KITCHENでは伊藤忠食品との協業により、アプリ内に止まらず食に関わる全てのフェーズを一気通貫でサポートできる。
またイベントではトークセッションも行われ、鵜飼氏と伊藤忠食品経営企画本部本部長補佐の星利夫氏が対談。OMO時代に向けて、協業から生まれるメリットや課題、すでに始められている取り組みの一端を披露。終了後にはDELISH KITCHENレシピの試食会も行われた。
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