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熊本の最高級国産黒毛和牛「黒樺牛」に注目/日本ハム

投稿日:2019年9月25日

杉本本店の矢岳牧場で安心・安全、こだわり育成

国内最大規模の矢岳牧場

在阪の食品業界紙などで組織する関西ハム・ソーセージ記者クラブ(加盟社10社)は、9月9~10日、ニッポンハムグループの取組企業で熊本県宇城市に本拠を構える杉本本店の矢岳牧場(人吉市)や熊本中央食肉センター(宇城市)、さらに日本ハムファクトリー「長崎浪漫工房」(長崎県東彼杵郡)の視察を行った。

杉本本店グループ(熊本県宇城市、杉本光士郎社長)は九州38カ所に牧場を保有し、同社オリジナルブランドの黒毛和牛「黒樺(くろはな)牛」を含む約1.7万頭の牛の生産を手がけている。矢岳牧場はその基幹となる牧場で、繁殖用母牛5000頭(国内最大規模)から生まれる子牛を育成。さらに安心・安全に配慮した黒樺牛の繁殖・育成を福岡、佐賀、大分、宮崎、鹿児島の計12カ所の農場で行っている。

矢岳牧場では黒樺牛の子牛は母乳で育成するほか、オリジナル飼料(オーストラリア産の牧草・プレミアムオーツヘイ採用)を与えている。母牛と子牛は牛の保育園的なスペースを設け、一定期間親子を一緒に生育。これが他の牧場との差別化になっており、子牛のストレスのない成長につながる。

また、九州山地の真ん中に位置し緑豊かな森の中にある同牧場では「マザーウォーター」と呼ばれる球磨川水系の地下水に恵まれ、黒樺牛の品質の基盤を支えている。牛舎や牛の消毒は1日3回365日欠かさず徹底して行うなど、牛の健康維持対策に余念がない。さらに1日当たり40~50tの堆肥はバイオマスへの活用を進めている。

同社の直営肥育農場では、1年ほど前から自動給餌機を導入。正確に給餌できる最新型で人手は全くかからない。1日当たり最大6回までの給餌が可能。矢岳牧場もこうした効率化を図っているが、月間分娩頭数が350~380頭とキャパオーバー状態のため、矢岳第2牧場(4000頭規模)を建設中で、年末ごろには完成する予定。

なお、ニッポンハムグループのインターファーム社と杉本本店は2017年に、牛生産事業会社S&iファーム社を合弁で設立。出水牧場、霧島牧場の2拠点を基盤として、将来的には繁殖母牛5000頭体制を目指す。霧島を矢岳同様に繁殖牧場とし、出水で肥育する計画。杉本本店の繁殖技術とニッポンハムグループの販売網を融合させて、黒樺牛のブランド力強化を図る。

熊本中央食肉センターは牛・馬のと畜処理を行う。1日当たりの処理能力は牛80頭、馬は12~15頭(最大35頭)。黒樺牛の処理は3割以上を占める。牛1頭のカット処理には17人を配置。カットするポジションは17カ所にのぼり、1人1カ所を受け持ち作業する。これとは別に内臓処理も10人体制で行う。

同センターは2010年に開業しているが、元々は旧豊野村が村営で経営すると畜場だった。当時の施設の一部は、今では解体した原料をカットする杉本本店の食肉処理場として使用され築25年が経過したことから、現在敷地内に新たな牛専用カット場を建設中。完成後には現状1日20頭の処理能力を60頭まで引き上げ、FSSC22000の認証取得や対米輸出を意識した基準・規模に仕上げる計画。

翌日10日には日本ハムファクトリー長崎工場に隣接する「長崎浪漫工房」を視察。同工房は日本で最初にハム製造が行われたとされる、ハム伝来の地・長崎でこだわりの商品作りを行うべく03年に竣工。物販だけでなくソーセージの手作り体験等を通じて、消費者がハム・ソーセージにより親しめる施設として、毎年3000人以上が訪れている。

同工房では40品目の商品を揃え、いずれも地元九州産の豚肉とミネラル豊富な長崎県産「五島灘の塩」を使用。食肉の処理加工を行うグループ会社・日本フードパッカー川棚工場も隣接しており鮮度の高い原料による商品作りが行える。

商品作りは機械任せではなく手作りに近い。このため、より生産現場の実情がわかることから、一般的な工場で働く若手社員の研修の場としても利用される。豚肉の骨がどこについているのか、その骨の外し方、もも肉の形状や質感などを知ることで、それぞれの工場に戻った時、経験が生かされる。技術の伝承にも一役買っており、その名の通り食のロマン追求を担う。

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