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名古屋都心部に商業・オフィス融合の新SC/イオンモール

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自然と自然になれる場所

オフィスと融合した都心型モールがオープン

イオンモールは10月27日、新たなフォーマットによるオフィス複合型商業施設1号店「イオンモールNagoya Noritake Garden」(愛知県名古屋市西区則武新町)をグランドオープン。既存モールとは一線を画す、商業とオフィスを複合したSCの都心部展開に挑戦する。

「自然と自然になれる場所」をコンセプトとした同モールは、既存の郊外型モールにはない取り組みが満載。名古屋駅から北1㎞に位置する都心部ながら、自然環境に恵まれた立地となる。1~3階までの全ての商業フロア東側は、緑豊かな屋外に面しており、各フロアの飲食ゾーンの屋外・テラス席で自然が満喫できる。4~6階には同社が運営する新しいオフィスフロア「BIZrium(ビズリウム)」を開業。1フロア約2千坪にもおよび、約40の会議室や名古屋外国語大学のサテライトキャンパスも入る。広域からの週末需要だけでなく、地元住民やオフィス、学生などの平日のニーズにも物販・サービスで対応する。

核店舗のイオンスタイル名古屋則武は、DXを駆使した東海初のスマートストア。AIカメラ90台を使った会計時の年齢認証や在館人数の把握、医薬品の自動入庫払出を行う。また売り場に来店客が立ち止まり20秒経過すると、そこに人がいることを従業員に伝える接客アラートも導入。今後は購買データなどを分析し、適切な割引率を提示する「AIカカク」も導入する。

食品ラインアップは地元にこだわった。生鮮品は産直八百屋「yaotomi」や、名古屋市近郊の農家が栽培した野菜・果実を豊富にそろえる。さらに愛知エリアの漁港で水揚げされた鮮魚を対面販売。週末には福島、島根、三重、和歌山の各県から届く鮮魚を展開。また、冷凍食材の扱いを拡充。ホルモンや味付け焼肉、焼き鳥など冷凍肉のほか、真空パックのフローズンフィッシュも幅広くそろえた。

銘店では「みそかつ矢場とん」のトンカツや青柳総本家の生ういろうなどを販売。また、リカーでは名古屋市内の酒造4社によるナゴヤクラウドの東海地区イオン限定商品を展開。こだわりコーヒー豆と世界の食品専門店・カフェランテ業態で、本格的なコーヒーを手軽に体験・購入できるカフェランテロゼを愛知県に初出店。1200品目の食品をそろえ、イートインも併設している。

加工食品では植物性由来の食品や糖質オフ、オーガニック食品を強化した。健康志向に対応する一方で、トップバリュの新商品「プロのひと品」でご馳走提案も。デリカは「Healthy Kitchen supported by ABC cooking studio」とコラボした健康を意識した同店オリジナル商品を提供。また、注文を受けてから出来立てを販売するイオンのテークアウト専門丼ショップ「たて花」を東海初出店となる。

テナントは約150店舗が出店。新たな地域の魅力としてプラネタリウムを導入したほか、アミューズメントも充実。また、各フロアに飲食店が出店し、レストラン・フードコート・食物販を合わせ53店舗が勢ぞろい。さらにヘルス&ウエルネスにも力を入れ、名古屋大学医学部附属病院と連携するナゴヤガーデンクリニックを開院。隣接するイオンリテールのドラッグ・グラムビューティークでは、イオン初となる調剤ロボットを導入。

10月21~26日のプレオープンでは、6日間累計で14.5万人が来館。初年度の来館目標800万人の達成に向け上々のスタートを切った。ただ、同期間のイオンスタイルの客数ピークは19~21時で、ビジネスパーソンや学生など20~30歳代が中心と、従来モールとは全く異なる結果がでた。未経験の立地、その商圏に合わせた複合型商業施設の成り行きに注目が集まるが、岩村康次社長は「買いたいものを決めて来店する店ではなく、この空間を楽しみながら買う物を決める、気づきが得られる店」「地域ソリューション企業を目指す中での新しい業態」だと話した。

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