水素焙煎、支援など掲載

里見執行役員
「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」というサステナビリティビジョンを掲げるUCCグループ。その実現に向け、ステークホルダーとの協働・共創のさらなる加速を目的にした「UCCグループ サステナビリティ レポート2025」を制作し、10月1日からWeb、冊子などで公表している。
2日には東京本部(東京都港区)で会見を開き、UCCジャパン執行役員サステナビリティ経営推進本部長の里見陵氏が概要を説明した。
UCCは、コーヒーの新たな可能性の追求、今までにないコーヒーの価値創造のチャンレジに向け、パーパス(存在意義)「よりよい世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」、バリュー(価値観)「コーヒーの価値探究・地球社会への貢献・挑戦と前進・協働と共創・倫理観と責任」を2021年に制定した。
里見執行役員は「環境が大きく変化する中、グローバルで生き残るために、戦略や組織体制を脱皮しなくてはならないと考え、パーパス、バリューを制定した」と語り、サステナビリティの実現に向けても、こうした考え方が根底にある。
「サステナビリティ レポート2025」では、24年度(1~12月)の事業活動を振り返り、重要項目への具体的な取り組みを、環境、社会、ガバナンスの観点から紹介。活動の全ての起点となる、パーパス・バリューに関する話題を中心に、水素焙煎コーヒー、ネイチャーポジティブを目指すタンザニアにおける持続可能なコーヒー生産プロジェクト、「TOYOTA Woven City」参画の最新情報を掲載する。健康領域としてコーヒー由来成分トリゴネンの解説、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに基づく自然関連情報も開示する。
一方、コーヒー豆の国際相場が歴史的高値で推移する中、サステナビリティ活動はさらなるコスト増も懸念される。里見執行役員は「経営全体のバランスを重視しながら取り組んでいき、今後〝コーヒーでサステナビリティといえばUCC〟というポジションを築きたい」と方向性を示した。
2025年10月20日付