UCC、AGFも参画へ
セブン―イレブン・ジャパンは、原材料を取り巻く国際的な社会問題の解決に向けた産地支援の取り組みを強化する。コーヒーでは、ブルーマウンテンコーヒー豆生産国のジャマイカを加えるほか、チョコレートでも新たな取り組みを始める。
11月7日に都内で会見を開き、永松文彦社長は「産地支援は、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組み」と趣旨を説明した。原材料を取り巻く環境において、とりわけ海外では自然環境による影響や労働に関する課題を抱える生産国もある。今後も上質で安全安心であることに加え、環境にも配慮した原材料を使用するためには、生産する地域を支援する必要があると考える。
そこで2021年からは「セブンカフェ」で使用しているコーヒー豆の産地支援をスタート。グァテマラでは学校運営支援と備品、コロンビアでは味の素AGFがサポート企業として節水型生産設備、タンザニアではUCC上島珈琲がサポート企業として豆の乾燥設備をそれぞれ提供した。
そして今年はジャマイカでも取り組みを開始。長年ブルーマウンテンの輸入に携わるUCCがサポート企業として、安定的な収穫、生産量の増加のためにコーヒーの苗木を寄贈する。今後も、各国の課題を理解した上で必要な支援を長期的に行う予定だ。
併せて会見当日から、「セブンカフェ ブルーマウンテンブレンド」(232円、ホット、レギュラーサイズのみ)を全国のセブンイレブン店舗で発売した。世界で収穫されるコーヒー豆の約0・009%という希少なブルーマウンテンを使用し、優雅な香りと甘みのある味わいに仕上げた。同商品は昨年も好評を博しており、今年も期待が高まる。
会見には、取り組みに参画するサポート企業も出席。UCC上島珈琲の朝田文彦社長は「生産者のモチベーションとともに、コーヒー豆の品質の向上となるようにサポートを続けたい」、味の素AGFの竹内秀樹社長は「『セブンカフェ』は今年発売10周年を迎え、AGFもコーヒー豆を提供してきた。温暖化などの環境変化も起こっており、産地支援の意義は大きい」と語った。
また今年からカカオ豆産地の支援も始める。11月から順次発売する「セブンプレミアム ピーカンナッツショコラ」「同 芳醇ラムトリュフ」(各298円)などの売上金の一部をカカオ豆産地に寄付し、農業改良、教育環境の整備などに充てられる。支援は、児童労働の撤廃を訴える認定NPO法人ACE(エース)のスキームを活用する。
2023年11月20日付