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油脂相場ピーク予想も/アメリカ大豆輸出協会

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新穀大豆品質を報告

アメリカ大豆輸出協会(USSEC、西村允之日本代表)は、今秋収穫した米国産大豆の作柄や品質などを日本の需要家に報告するオンライン・カンファレンス「米国大豆バイヤーズアウトルック会議2021」を11月18日に開催。今年度は例年通りの生産・生育・作付けの現況に加え、高オレイン酸大豆の最新情報や、Non-GMO(非遺伝子組み換え)の新穀大豆についても生産者らが紹介した。

米国での春~秋の天候・気温は地域により大きく異なり、ミシシッピ州北部の生産者ウィラード・ジャック氏によると、今年は作付け・収穫ともに例年より早く終了。天候不順や台風はほとんどなくかんがいは1回のみで、「非常に良い品質」と語った。

1440エーカー(約583ha)の畑で日本向けのNon-GMO大豆のみを生産しているスコット・メッガー氏は、3~4月に除草剤を散布。4月15~20日に作付けし、約3週間後に再度除草剤を散布。例年であれば9月の第1週目から遅くても10月1日までに収穫を終えるが、今年は9月20日に開始した。生育中の気温・雨量ともに問題なく「タンパク質と油分が非常に多く高評価された」と感想。しかし、肥料価格が2倍超となりコストアップが著しく、今後、大豆の価格高騰が懸念される。

ドイツの調査会社オイル・ワールドのトーマス・ミルケ氏によると、世界の油脂相場と価格高騰については、植物油全体でみると10月に価格の新たなピークが発生したが、数週間内で値下げする可能性が示された。種類別にみてみると、大豆ミール(大豆粕)は今年1~2月をピークに価格が安定。大豆オイルもここ数年来での高値となっているが、右肩上がりに高騰している菜種油・パーム油に比べると安定傾向。これらは米国のバイオエネルギー政策も大きく影響しており、そのため大豆の作付けを減らしてトウモロコシや小麦に転換する生産者が続出。ヒマワリ油はロシア生産者が売り控えしているため高止まりの状態。パーム油は、来年3~4月の外国人労働者が確保できるか否かで在庫不足となる可能性も指摘した。

大豆ミールを含む植物ミール全体の需給は、世界最大の輸入国である中国が価格低下を期待して買い控えしていることが、大豆価格が高騰していない理由の一因であり、取引量の減少に伴う価格安定は、近く中国が買い付けに転換することで値上がりすることが予想される。

しかし、世界全体での生産量は現時点での需要を大きく上回っており、ブラジルなどでは作付け面積が順調に増加していることから、今後需要が増加しても在庫・価格の安定化が見込まれている。

大豆価格に影響する品質については、ミネソタ大学准教授のセス・ネイヴ氏が報告。今年は米国全土での天候パターンが例年とは異なった影響で、タンパク質が0.5ポイント減少の33.4%、油分は0.7ポイント増えて20.2%となり、地域差はあるものの「期待外れ」との見解を示した。

2021年11月29日付

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