THE FOOD WEEKLY

TOP NEWS

来期再成長へ踊り場/三菱食品

投稿日:

上期は増収減益で着地

事業概況を語る森山透社長

三菱食品は2020年3月期第2四半期連結決算を11月1日に発表。同日、都内で会見した森山透社長は経営方針2020の進捗を説明し、今期は「意志ある踊り場」を強調した。

第2四半期業績は売上高1兆3512億8000万円(前年同期比102.5%)、営業利益50億9800万円(70.0%)、経常利益58億1100万円(70.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益52億2700万円(95.8%)の増収減益。森山社長は「若干計画を下回るが、川上よりの事業に先行投資した仕込みの年。2020年以降の再成長を目指す」と順調をアピール。

SM(1.1%減)を除く各業態で取引が拡大。中でもドラッグストア(25.5%増)を中心に取引が堅調。また、消費増税前の駆け込み需要等により、ビール類が9.1%増、その他酒類が6.5%増。スナック菓子およびナッツ類が好調な菓子類も4.0%増と売上を牽引した。9月の酒類は15%増、その他食品類でも2~4%程度の増加があったと分析。なお駆け込み需要の反動について森山社長は「2014年の増税後の反動よりは小さい。すでに10月後半からほぼ元に戻っている」との見方を示した。

また相次いだ台風の影響についても、15号上陸で受けた「深刻な停電が最も厳しかった」と振り返り、自社物流だけでなく得意先サポートなど多くの課題を抱えている。

セグメント別ケース単価では、加工食品2215円(前年同期比56円増)、冷食・アイス3491円(9円増)、酒類3323円(102円減)、菓子2204円(16円増)。加工食品は7月の冷夏で単価の低い飲料が低調だったことがケース単価上昇につながった。アイスの落ち込みも同様。酒類もRTD、第3のビールの伸長から単価下落に。菓子では冷夏で7月に数量が伸びたほか、チョコレートが伸長。

利益面では昨年後半に新設した物流センターの立ち上げ費用などコストの上昇が影響した。売上総利益率が0.2ポイント悪化に加え、物流費および人件費等が増加した販管費率は0.3ポイント上昇。セグメント別利益でも酒類の3億円増を除き、加工食品、低温食品、菓子、その他・調整全てで販管費の増加を受けて減益。純利益は昨年計上した減損損失の反動から改善。

上期投資額は83億円(設備投資63億円、システム開発19億円)、償却額・支払リース料は47億円(同30億円、同17億円)。通期では投資額200億円(同120億円、同40億円)、償却額・支払リース料は95億円(同60億円、同35億円)を計画。下期に新規の物流センターが稼動を予定する。

通期業績予想は修正なく、売上高2兆6500億円(101.1%)、営業利益160億円(95.6%)、経常利益180億円(98.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益120億円(100.3%)。

事業構造の進化を推進

2020年度を最終年度とする5カ年計画「経営方針2020」の4年目となる今年度は事業構造の進化をテーマに、卸事業の磨き込みと事業領域の拡大を進める。

卸事業では物流戦略の実行スピードを上げ、統廃合を含めた最適物流ネットワークを構築し、営業政策と連動を強める。カギを握るのはテクノロジーとロボティクスを活用したSCMの高度化。需要データの可視化と予測精度の向上で適正在庫化と発注業務の効率化を推進。さらに物流業務の省人・省力化につながる設備導入、求貨求車システムなどによる物流シェアリングを検討する。

中でも成長領域でもある低温物流への投資は順調。リクエ事業の第2物流拠点となる「リクエ舞浜物流センター」(千葉県浦安市)が昨年9月に稼動し、業務用食材を受注から納品までの短時間配送を実現。さらに初の自社物流拠点「横浜金沢低温物流センター」(神奈川県横浜市)が昨年11月に稼動を始め、首都圏のフローズン物流基盤強化につなげた。

事業領域の拡大として注力する川上領域。3年目を迎えたオリジナル開発商品「食べるをかえるからだシフト」シリーズは、糖質コントロール領域で48SKU、たんぱく質領域で14SKUを展開し、上期売上高は前年比130%。9月には消費者向けのイベントを東京と大阪で開催し、1000人超が参加した。EPAを追い風に期待がかかる輸入ワインも品揃えを拡大した。

低温カテゴリーではオリジナルブランドを強化した。冷凍ミールキット「ララ・キット」6SKUを今年10月に関東と関西エリアで発売。フローズンデザート「アンド・ミータイム」は10月から全面リニューアルした。

好調な業務用向け取引拡大を目指し、初めての業務用展示会を8月に開催。原料資材取引の拡大・強化に向けた組織体制の見直しを図った。
全社施策では、デジタル技術によるバックオフィスと間接部門の在り方を転換して生産性向上を目指し、RPAは全国13組織で開発中。OCRは年度内に目標を達成できる見込みで、RPAとOCRを連携した業務効率化も検討。さらに需要予測AIと買掛照合AIの導入に向けた実証実験を進めている。

さらに同社のシンボルでもある総合展示会「ダイヤモンドフェア」を5年ぶりに一新し、注目を集めた。そこでは①脱カテゴリー②業態課題別③事例の展開の3つで会場を構成した。この他、小売業との新たな取り組みとして、「cookpad storeTV」との共同によるデジタルサイネージ設置と販促企画を推進。10月から大型サイネージの展開を始めている。

そして、来年5月には東京・文京区に本社を移転する。新たな働き方、新たな三菱食品への転身を図る。

2019年11月11日付

-TOP NEWS,

Copyright© フードウイークリーWEB|週刊食品 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.