“摂取疲れ”解消へ、日常食化を推進

右から一正蒲鉾和田祐樹氏、ジョーさん。、一正蒲鉾鈴木かさね氏
一正蒲鉾は8月19日、都内で「第3のたんぱく質・魚肉たんぱく戦略発表会」を開催した。第三次中期経営計画(2026~2030年)の方向性と合わせ、かまぼこやちくわ、カニかまなどの水産練製品を「魚肉たんぱく食品」と再定義。「魚肉たんぱくを、くらしの“あたりまえ”に」を掲げ、従来の練製品の枠を超えた新たな食文化の創造を目指す。
発表会では、取締役常務執行役員食品事業統括本部長兼マーケティング戦略部長の和田祐樹氏が中期経営計画と「魚肉たんぱく」戦略を説明。同社は魚肉たんぱくについて、魚のおいしさと栄養を生かし消化に優れる「健康性」、調理せずそのまま食べられる「利便性・即食性」、未来の食を支える資源としての「環境性」の3つを価値として提示した。

一正蒲鉾の製品
背景にあるのが、生活者のたんぱく質摂取を巡る新たな課題だ。同社が20~60代の男女1102人を対象に実施した調査では、健康や美容のため食生活を意識している人の73.0%が「たんぱく質」を意識しており、全年代で7割を超えた。一方、たんぱく質を意識して摂取している人の52.2%が「飽き」や「疲れ」を感じており、20代では68.6%に達した。その理由としては「同じ味ばかりで飽きる」が45.9%で最多。「価格が高く続けにくい」が32.9%、「毎回の調理が面倒」「パサパサ感や粉っぽさが気になる」がそれぞれ30.5%となり、味のマンネリ、コスト、調理負担が“たんぱく質摂取疲れ”の主な要因となっている。
こうした課題に対し、同社が提案するのが魚肉たんぱくの「プラスワン」だ。調査では、魚肉たんぱくを日常に取り入れるシーンとして「サラダのトッピング」が43.6%で最も多く、「夕食のメインおかずにプラス」が39.7%、「小腹が空いた時の間食」が29.8%と続いた。いつもの食事に一品加える形での摂取に高いニーズがあることが分かった。一方、練り製品は週1回以上食べる人が53.6%と一定の定着があるにもかかわらず、「たんぱく質が豊富」というイメージを持つ人は20.0%にとどまる。同社は、このギャップを魚肉たんぱくの成長余地と捉える。
今後は、従来の「特定の料理」「特定の季節」に偏った練製品から、毎日の食事に溶け込む「常備食・即食・補助食」へとポジションを広げる。主菜から間食まで新たな食シーンを提案するほか、大容量から個食タイプまで多様な商品を展開。冷蔵・冷凍・常温の3温度帯をそろえ、生活スタイルに合わせて「いつでも、どこでも」食べられる存在を目指す。さらに教育・医療・介護などのライフステージへの対応や、業務用市場の開拓も進める。

アレンジレシピを提案
戦略発表に続くトークセッションには料理研究家のジョーさん。氏が登場。「タイパ&コスパ」「オールマイティ」「質の良さ×減塩」を魚肉たんぱくのメリットとして紹介し、魚肉たんぱくを使った新たな食べ方を提案した。会場では「ちくわdeカップスープ」や、カニかまの「オホーツク」をヨーグルトに加える「魚ーグルト」など、“プラスワン”を意識したメニューも紹介。一正蒲鉾発の「770種の魚肉たんぱくアレンジレシピ」も掲げ、日常のさまざまな食シーンへの浸透を促していく姿勢を示した。
同社は、魚肉たんぱくを単なる水産練製品の栄養価ではなく、健康性、利便性、環境性を備えた「未来の食を支えるたんぱく源」として再定義。日常の食卓に新たな選択肢として定着させることで、魚肉たんぱく市場の創出を目指す。
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