太陽に恵まれた当たり年
11月20日、2025年のボージョレ・ヌーボーが解禁。サントリーは同日、阪急うめだ本店で解禁イベントを開催し、日本国内で販売数量トップの「ジョルジュ デュブッフ」社の生産者、アドリアン・デュブッフ・ラコンブ取締役が登壇した。出来ばえについて「今年は太陽に恵まれた当たり年。凝縮した甘濃い味わいが特徴で、〝5のつく年は優れたビンテージになる〟というジンクス通りの素晴らしい仕上がり」と語り、来店者に今年の魅力を伝えた。
対日輸出数量は前年並みの約15万ケース(750ml×12本換算)と推定。2004年のピーク(約104万ケース)を境に市場は縮小傾向にあり、ライフスタイル変化による飲用機会の減少、物価高による嗜好品離れが背景にあるとみられる。一方で季節の〝旬〟を楽しむ日本人の感性と相性がよく、一定規模の市場は維持される見通し。アドリアン氏も「市場は縮小しているが、こうしてイベントを20年近く続けられているのは素晴らしいこと」と強調した
今年のボージョレ地区は酷暑と乾燥の影響で成熟が早まり、収穫は過去4番目の早さに。3~4月の気温は観測史上最高、7~8月も酷暑が続き、降水量は平年比30%減。天候ストレスにより「花ぶるい」が発生し、収穫量は前年の約半分に減少した。ただ、果実の香りは凝縮し、品質面では近年でも屈指のビンテージに仕上がったという。イベントの締めくくりには、来場者と〝Santé!〟(健康を意味する乾杯の掛け声)と声を合わせて乾杯し、節目の瞬間を盛り上げた。
メディア向け体験会開催


小川店長
また、同日夜には大阪サントリービルでメディア向け体験会を開催し、今年の輸入状況やラインアップ、販売戦略などを説明した。
「ジョルジュ デュブッフ ボージョレ・ヌーボー」の輸入数量は約3.7万ケース(前年比98%)。容量としては前年を下回るが、本数ベースでは約54.4万本と約1万本増加した。消費者との接点拡大に向け、手に取りやすい375mlサイズの提案を強化した。「同 フランス産輸入新酒ワイン」の輸入数量は約3.8万ケース(97%)となった。
ラインアップは「ボージョレ・ヌーボー」4種6品目(昨年比4品目減)、「フランス産輸入新酒ワイン」5種7品目(同)となり、価格は昨年・一昨年と同水準で据え置く。ラベルには今年からアーティストやイラストレーターによる「アートラベル」を採用。ブランドの象徴である色鮮やかな花々に、蜂や鳥、てんとう虫などをあしらい、ボジョレの畑の多様性をチャーミングに表現した。
老舗ワインショップ「カーヴ・ド・ヴァン」小川慎司店長によるテイスティングでは「香りが豊かで余韻が長く、今年はより凝縮感のある〝ワインらしいワイン〟になっている」と高く評価した。

今年のボージョレ・ヌーボは甘濃い味わいが特徴
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