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4月20日「ジャムの日」第1弾イベント/日本ジャム工業組合

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ジャム好きのためのオフライン会合「ジャムPARTY」

左から日本ジャム工業組合の井田事務局長、小諸市農林課の佐藤課長、ジャムデザイナーの清水氏

4月20日は「ジャムの日」。
日本のジャム発祥の地である長野県小諸市と日本ジャム工業組合らにより毎年記念イベントが行われており、今年は3週連続で開催される。

「ジャムの日」は、長野県北佐久郡三岡村(現在の小諸市)の塩川伊一郎氏が1910年(明治43年)4月20日に「苺ジャム」を皇室に献上したことに由来し、日本ジャム工業組合が2015年に制定した。

小諸市産リンゴジュースで乾杯!
(山本範雄理事長)

■「ジャムの日」第1弾イベントはファンオフ会
日本ジャム工業組合と小諸市との共催による「ジャムの日」記念イベント第1弾は、東京・銀座にある長野県の首都圏情報発信拠点「銀座NAGANO」で4月9日と10日に各2回開催し、計41人が参加した。
銀座NAGANOでは、昨年7月からオンラインによる「ジャムづくり体験教室」を毎月開催しており、第1弾イベント1日目(9日)は「ジャムで繋がる・広がる ジャムPARTY」と題する、体験教室参加者のオフライン会合として開催された。
(新型コロナ感染防止のため事前予約制の少人数での開催)

この日1回目(11:00~)の会合では、日本ジャム工業組合の山本範雄理事長(アヲハタ社長)による乾杯からスタート。
ウエルカムドリンクのリンゴジュースは、小諸市にある果樹園「リンゴ家SUKEGAWA」のもの。ファンが多いことでも知られるリンゴ農園で、リンゴジャムなどの加工食品も販売している。

参加者は、「ジャムの日」記念日の由来などの説明を聞きながら、ジャムとマリアージュした料理・スイーツのワンプレートを楽しんだ。
ブルベリージャム添えチーズケーキなど定番スイーツだけでなく、チキングリルやサーモンマリネなど意外なメニューも含めた全9品。

加えて、ジャムを楽しむためのスコーンやスポンジケーキも用意され、特に注目されたのが手作りの「ジャムドレッシング」をかけた野菜サラダ。
ジャムデザイナーの清水知美氏によると、最も手軽に作れるジャムのアレンジレシピ。瓶に残ったジャム(40g程度)に酢とオイルを大さじ2杯、塩コショウを少々入れて蓋をしっかり閉め、瓶をよく振るだけ。

会場での実演ではリンゴジャムを使用したが、ジャム・酢・オイルは何でもよく、好みの組み合わせて様々な味のジャムドレッシングがすぐにできる。
牛乳に好みのジャムを入れ、よくかき混ぜるだけの「ジャムオレ」も超簡単レシピの1つ。

上:ジャムメーカーの「いちごジャム」5品
下:「ジャムづくり体験教室」で作った8品

明治屋「M-Y印ジャム」缶詰の復刻版

ジャム試食タイムでは、日本のジャムメーカーが製造販売している「イチゴジャム」5品と、「ジャムづくり体験教室」で作ったジャム8品をそれぞれ食べ比べ。
参加者からは「普段同種類のジャムを同時に食べることがなく、イチゴの種類や甘さの違いがよくわかった」「オンラインでは味や物性の程度がよくわからなかったが、(講師がつくった)実物を食べることで確認でき、安心した」などと好評であった。

また、明治屋が1911年(明治44年)に販売開始した「MY印イチゴジャム」の復刻版缶詰も試食。
現存していた当時レシピをもとに、できるだけ当時に近い製法・原料で再現したものでアメリカ種イチゴを使用し、ザラメ糖で炊き上げた。
極力当時の風味を生かしつつ甘さを抑えるためレモン果汁を加えるなど現代風に調整されているが、それでも糖度と粘度は現代ジャムよりもかなり高く、各テーブルで参加者の「あっまぁ~い!!」の声と笑顔が広がった。
献上「苺ジャム」時代の糖度の高さがうかがえる一品である。

「ジャムづくり体験教室」で講師を務めた日本ジャム工業組合の井田雅夫事務局長、小諸市農林課の佐藤工課長、ジャムデザイナーの清水知美氏によるトークセッションでは、ジャムの最新事情を紹介。
ジャムメーカーでは昨今の低糖志向により、より糖度の低いジャムを製造販売する傾向にある。イベント参加者は全員がジャム大ファンであるものの実は大半が非甘党で、「甘すぎないジャムを作りたくて体験教室に参加した」とのこと。
しかし、砂糖が少な過ぎたり、果物の種類によっては固まりにくいこともあり、メーカーではペクチンを添加する。食物繊維の一種であるペクチンはすべての果物に含まれているが、近年ではメーカーのみならず、低糖ジャムを手作りする際にも使用するのが一般的となってきた。ペクチン使用量により、パン焼成時にも垂れないジャムが作れるという。

清水氏は「ジャムは使用材料がシンプルなだけにアレンジは無限大。糖度や添加物にこだわり過ぎず、様々なバリエーションを試して欲しい」と語った。

銀座NAGANOでは、今年も6月から「ジャムづくり体験教室」のオンライン開催が予定されている。

■記念イベント第2弾は小諸市、第3弾は横浜市で開催
今年の第2弾記念イベント「ジャムに恋するエイプリルin小諸」は、小諸市にある日帰り温泉施設「あぐりの湯こもろ」を会場に、4月14日開催される。
「親子で楽しむジャムづくり教室」をはじめ、ジャムラテづくりやジャム空き瓶を使ったオリジナル瓶作成、ジャムつかみ取り大会、クイズラリーなどお楽しみイベントが盛りだくさん。先着200人(10:00~と12:00~の各回100人)にジャムプレゼントも。
また、ジャムと親和性のある食材などの展示やジャムの即売会も実施される。

第3弾は昨年に続く東京ガスとのコラボイベント。
4月23日・24日に横浜市にある東京ガス横浜ショールームで、産直イチゴを使ったイチゴジャムとアイスクリームマフィン3種を作る「親子料理教室」を事前予約制で開催。募集開始早々に定員が埋まるほどの人気ぶりとなった。

■「御牧いちご」復活プロジェクトでジャム化を検討
日本の「イチゴ生産発祥の地」と言われる小諸。
小諸市御牧ヶ原に群生していた野生の夏イチゴは後に「御牧いちご」と称され、「御牧ヶ原1号」「御牧ヶ原2号」となり品種改良を重ねたことで、現在各県で栽培されているブランドイチゴとなった。
1910年(明治43年)4月20日に献上された「苺ジャム」に使用したイチゴも、「御牧いちご」の祖先(野生種)であったとされている。

小諸市では昨年、「御牧いちご復活プロジェクト」を始動した。
数株しか残っていなかった「御牧いちご」の株を増やして栽培し、将来的には市のブランドイチゴに成り得る量を収穫する計画。
しかし、野生種に近い品種のためサイズは他県ブランドイチゴの1/2~1/3程度と小ぶりで、味は濃いがやや酸味が強く、生洋菓子向けとしては調理や加工に工夫を要する―といった課題もあるようだ。
早ければ来年夏、試験栽培した「御牧いちご」を少量収穫できる可能性がある。その際には当時のレシピで再現する献上「苺ジャム」の試験製造も検討されている。

井田事務局長や清水氏による参加者とのコミュニケーションタイム

「日本ジャム工業組合」公式サイト
https://www.jca-can.or.jp/~njkk/

小諸市「小諸のいちご栽培とジャムの日」
https://www.city.komoro.lg.jp/soshikikarasagasu/sangyoushinkoubu/norinka/2/1/4/6496.html

「ジャムの日」記念イベント第2弾「ジャムに恋するエイプリルin小諸」
https://www.city.komoro.lg.jp/official/kanko_sangyo/noringyo/oshirase_chuijoho/10392.html

「ジャムの日」記念イベント第3弾「東京ガス親子料理教室」
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/topics/20220301-04.html

「銀座NAGANO」公式サイト
https://www.ginza-nagano.jp/

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