差別化で海外輸出を後押し
農林水産省が2月7日に開催した日本農林規格調査会で、「みそJAS」制定案が原案通りに承認された。この後は今年度中に官報掲載により公示され、4月に施行となる見通し。
みそJAS制定の背景には、海外市場において海外製の安価な「模造みそ」が日本製と区別なく販売されている―という現状がある。日本のみそ輸出量は年々増加し、2019年には過去最多を更新して1万8444トンに伸長した。
しかし国際規格であるCodexでは、日本国内外の多様な大豆発酵食品が「発酵大豆ペースト」として同一規格化されており、販売事業者や購入者が日本製みそを区別できないケースが多々散見されている。また現在、国をあげて日本製食品の海外輸出拡大に取り組んでおり、JAS化による競争力強化、模造品排除の足掛かりにしたい考えだ。
みそJAS案ではみそを定義し、生産時に使用するこうじ菌を「Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼー)」に限定。こうじは「ばらこうじ」または「豆こうじ」でなければならず、いずれも日本の伝統的みその生産に使用されている。
海外輸出量全体の3割超を占め、約50カ国に輸出しているひかり味噌(長野県諏訪郡、林善博社長)では、JAS制定について「みそ定義が行政により定められたことは喜ばしい。国内外でのビジネス拡大に挑戦しやすくなる」とコメント。
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