こうべキエーロを啓発

海老原氏
ネスレ日本、神戸市、兵庫県立大学の3者が連携し、資源循環プロジェクトをスタート。10月16日にネスカフェ三宮で、生ごみを減量する取り組み「こうべキエーロ」のお披露目会を実施した。
神戸市では、生ごみの削減を目的に、微生物の力で生ごみを分解するコンポスト「キエーロ」の普及を推進している。今回のプロジェクトでは、生活に身近なコーヒーに焦点を当て、抽出後の粉(コーヒーグラウンズ)を土づくりの資源として花壇に再利用する循環型モデルの構築を目指す。
「キエーロ」は、神奈川県葉山町在住の松本信夫さん・恵里子さん夫妻が考案したもので、生ごみを土に埋めるだけで微生物が分解し、手軽に台所ごみを削減できるのが特徴。「こうべキエーロ」は、この考え方を神戸市が地域プロジェクトとして展開するものである。
兵庫県立大学の国際 商経学部森谷ゼミでは、2022年から社会課題の解決をテーマに活動を行っており、大学内の学食の残渣やコーヒーグラウンズを利用して堆肥を生成し、キャンパス花壇で活用していく。
ネスレ日本では、ネスカフェ三宮2階テラスにキエーロを設置。カフェで出るコーヒーかすや紙製ポッド、野菜くずをキエーロで分解し、できた土を店舗花壇に利用することで、循環の仕組みを来店者に体感してもらう。さらに、同日からコンポスト可能な専用の紙製コーヒーポッドを採用した「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」で抽出したドリンクメニューの提供も始めた。
お披露目会で神戸市環境局の柏木和馬局長は「若い世代やカフェ利用者を通じて『こうべキエーロ』の輪を広げたい」と語った。ネスレ日本飲料事業本部の海老原聡氏も「身近なカフェで資源循環を実感してもらうことで、持続可能な暮らしを考えてもらうきっかけにしたい」と展望を述べた。
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