小学生と保護者81人が参加

チーズ肥料でトマト苗植え体験
六甲バターは7月30日、チーズ廃棄物から作った肥料を使った小学生向けSDGsイベント「夏休みはチーズ肥料で野菜を育てよう!QBB こどもワークショップ」を神戸工場(神⼾市⻄区)で初めて開催。小学生とその保護者総計81人が参加した。

セミナーでは野菜への生育効果などを説明
今回実施したワークショップは、同社がチーズを生産する際にどうしても発生してしまう「チーズ廃棄物」を再利用した「チーズ肥料」を用い野菜苗を育てる、小学生とその家族向けのイベント。
当日は工場見学からスタート。チーズ作りの工程を視察した後、教室で同社の肥料作りについてのレクチャーを受けた。同社がチーズ生産を行う上で廃棄している量は2024年度で840tにのぼる。フードロスを抑えるために子供会への寄付や肥料作りなどを行っており、肥料化への取組みは4年目を数える。
セミナーでは、栄養価値が豊富なチーズは肥料化した際にもたんぱく質が野菜の葉や茎を大きくしたり、カルシウムが植物を丈夫にさせるなどの効果があること、肥料作りでは微生物によりチーズの栄養が野菜に取り込みやすくなることなどを説明。集まった親子は熱心に聞き入っていた。
この後、工場内の駐車場に向かい、用意された土に肥料を混ぜ、ミニトマトの苗を植える体験会を実施。子ども達はこの日一番の元気を見せて、苗植え体験を楽しんでいた。イベント終了後、参加した子ども達一人ひとりがトマトの苗を持ち帰った。同社では「夏休みの自由研究にも使える」と話す。
同社は現在もチーズの肥料化と植物に与える影響などの実証実験を続けている。栄養価値の高いチーズだけに、有機肥料としての製品化を目指す。今後2~3年かけて実現する見通しで、今年中には必要な検証データをそろえる予定。ワークショップは今回、初開催だが想定以上の応募があり、今後も継続して行いたいと意欲を示している。
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