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イオンスタイル伊丹昆陽がリニューアル

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ファミリー・MZ需要に対応!

売場規模を大幅拡大

イオンリテールはイオンモール伊丹昆陽(いたみこや、兵庫県伊丹市)内の直営売場・イオンスタイル伊丹昆陽の3階に、兵庫県初となるイオンのベビーキッズ専門店「キッズパブリック」の最新モデルを導入し、10月4日にリニューアルオープン。これまで各直営売場で段階的に実施してきたファミリー向けやMZ世代向けの品ぞろえ強化や売り場改装が完了した格好だ。ここでは食品売場を中心に、どのようなアップデートが行われたかを見ていきたい。

●複雑な商圏で位置付けを見直す
イオンモール伊丹昆陽は2011年に開業。オープンから13年が経過し、周辺エリアは子育てファミリー世帯が増加しており、こうした環境・消費動向の変化に対応すべく核となる直営売場・イオンスタイル伊丹昆陽のリニューアルを実施した。伊丹市は大阪-神戸間にまたがる阪神エリアに位置する。このエリア全体に、ベッドタウンとして厚い商圏が広がるが、その分、競合も多い。また、河川が多いため商圏が寸断されており、広域商圏を確保したい大型商業施設といっても、店舗を中心としたサークル状の商圏ではなく、不定形な「アメーバ商圏」での需要確保を余儀なくされている。これは同モールおよび5㎞圏内の競合施設とも同じ条件だ。
そこで伊丹昆陽の位置付けを見直した。JR伊丹駅前にはイオンモール伊丹がある。こちらは駅前施設として非日常の商品や店舗をそろえ〝お出かけ需要″に対応している。一方、伊丹昆陽は伊丹市の西側に位置し、駅からは遠いため自動車での来店が7割を占める。ただし平日は自転車による来店が多く、週末型の施設とはいえ平日と週末の来店バランスが良い店舗。増加するファミリー層から見れば、より生活密着型の施設であり、育ち盛りの子供に必要な品ぞろえを期待するが、これまで十分な対応が出来ていなかった。今回のリニューアルでは、衣食住の各直営売場でMZ世代が求める商品をそろえ売場も分かりやすく改装。モールとして10㎞圏、直営では3㎞圏の需要獲得に改めて乗り出す。

●食品はボリュームパックやスイーツ強化
改装前の食品売場はレジや銘店などを含め約870坪の規模だった。これをレジの位置をずらし銘店の位置を変更するなど買い回りしやすく工夫し、約940坪(食品スーパーのみでは760坪)に拡大。
子育て世代中心のエリアとあって、デリカ需要以上に生鮮を求める声が多く、これに対応した。農産品は地場野菜コーナーを設けたほか、フルーツの品ぞろえを強化。精肉では大容量品を充実させた。冷凍食品でも同様のニーズがあり、素材系の冷食、中でも肉のジャンボパックなどの品ぞろえが豊かに。またアイス、スイーツの拡充も図った。冷食は改装前と比べ売場面積や品ぞろえを約3倍の規模に拡大。食品の改装は9月下旬に完了したが、冷食合計やアイス・スイーツは1.5倍の売上伸長を果たしている。
酒類も売場を3倍に拡張。加工食品ではMZ世代向けにグミの品ぞろえを大幅に拡大したところ、中高生の来店が目に見えて増えた。地元商材は各カテゴリーで強化しているが、特筆は伊丹の銘店「マシューのチョコレート」の導入。これまでクリスマスとバレンタインデーにしか商品を扱えなかったが、同店での売れ行きが良かったこともあり、年間を通して販売できるようになった。これができるのはマシューのチョコレート本店以外では伊丹昆陽のみ。このほかレジは通常レジと「レジゴー」専用に分けて利便性を高めた。さらに同じフロア内に「カフェランテ」や「イオンリカー」も導入。食品売場は生鮮・冷食でのボリュームパックや潜在需要の高いスイーツの強化、さらにケース販売などまとめ売りによる買上点数の向上を図り、改装前比106%の売上伸長を見込む。

2階のファッションではイオンが展開する10歳代の専門店「Double focus(ダブルフォーカス)」を導入。3階のキッズコーナーには「KIDS REPUBLIC(キッズリパブリック)」の最新モデルを設置、0~3歳、3~6歳、7~12歳の年齢別の商品提案を実現。さらにホビー専門店「MONTOYS(モントイズ)」が物販と体験が融合した店舗を展開。

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