ソースの汎用性を再認識
オタフクソースは6月18~19日、広島市中小企業会館で「お好み焼でもっと笑顔に」をテーマに、お好み焼提案会2024を開催。得意先飲食店など2040人(うちお好み焼店499店)が集まった。今回も異業種メーカーが協賛、17社が出展した。
特に注力したコンテンツは「インバウンド対応に向けての情報発信」で、英語と中国語でお好み焼の材料や食べ方などを解説した冊子を、コミュニケーションツールとして配布。〝和と食べ歩き〟をテーマに「わさびお好み焼」やワンハンドメニューも紹介。また「食の多様性への理解と対応」を目指しベジタリアン食などを提案した。
さらに集客増に向けた「SNS活用」では女性に人気の素材を使った、見栄えの良いメニューを紹介。「人手不足対応」には調理負荷を軽減するメニューやシステム活用、人材補完の紹介も実施。「地域食材の活用」では地元名産の牡蛎・小松菜を使った新・ご当地グルメ「カキコマ」などを訴求した。
特筆はソースの汎用性を再認識できる「可能性は無限大!お好みソース汎用メニュー」コーナー。洋風などいつもと違うメニュー提案に、あえて専用ソースではなく、店舗が常備しているいつものお好みソースにスパイスなどを加えるだけで、全く違うフレーバーが楽しめることを実践してみせた。例えばルーローメンはお好みソースに中国の代表的なミックススパイス五香粉を1g加えるだけでエスニックな風味が楽しめる。ソースのポテンシャルに加え、なるべくコストを抑えてバリエーションを広げる。こうした店舗側に立った提案が、この提案会の最大の魅力といえる。
商品展示コーナーではリニューアルしたお好みソースを訴求。またパネル展示したメニューから食べてみたいものを投票する「アイデアメニューコンテスト」も開催した。ステージイベントも行われ、松井一實広島市長も駆けつけ、会場を盛り上げた。
なお、コナモン最大消費地とされる関西での提案会は、万博に向け10月末ごろをめどにマイドームおおさかで開催予定。
■1食当たりで見ると、まだまだコスパが高い!
同社の販売実績は、業務用ソースが19年度には届かないものの、急速に回復してきている。市販用ソースは6月で価格改定が一巡、定額減税効果などを含め7月以降に期待したい。
お好み焼の素は、いか天や青のりなどをセットした4人前の「こだわりセット」が売価500円を超えており伸び悩んでいる。確かにスーパー店頭で500円超えは、今の環境を考えれば高単価。ただし1食当たりで見ると、キャベツや肉類を加えても200円程度にしかならない。依然として徳用感が十分な商品であり、試食を通して価格と価値のバランスを伝えていく。
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