AIで品質管理など最新設備を完備
六甲バターは新たな基幹工場となる神戸工場の竣工式を2月4日に開催し、報道陣向けに見学会および会見を開いた。
これまでの主力工場である稲美工場が稼働開始から50年を経過。老朽化が進んでいたことから新工場建設を決断した。新工場では主力のプロセスチーズの生産能力を大幅に引き上げる。当面、稲美工場(敷地3万7724㎡、生産能力2万5200t)では一部の業務用製品などの製造を続けるが、将来的には新工場へ完全シフトする。長野工場(9159㎡、6400t)は従来どおり操業を続ける。
神戸工場は同社初導入となるMES(生産物流管理システム)により、高い生産性とエネルギー効率化を図る。また、チーズの品質管理をAIが自動で行う品質管理システム(特許出願中)を構築。工場長の中山正夫常務=写真下=は「システムが全体を制御する工場となる」と説明した。効率化の推進により生産性は2014年比で1.5倍に向上し50人程度の削減を図る。
安全・安心で高品質な工場を目指し、明確なゾーニング、空調・換気システムによる防虫対策を図るほか、200台を超える品質カメラを設置し高度なセキュリティー体制を実現。20年にはFSSC22000を取得予定。製品トレースの速度上昇や検査情報データベースを構築し、品質情報の一元化も図る。さらに同社初の見学施設「Q・B・Bプロセスチーズパーク」を導入し、展示や体験を通じてプロセスチーズの魅力を発信する。
プロセスチーズの世界市場において品種や品質・技術力などが最も優れているのが日本であり、また、TPPやEPA発動の追い風もあって、三宅宏和社長=写真上=は「当工場を日本一のプロセスチーズ工場として、国内だけでなく海外へも積極展開を図る」と展望した。稼働は今年4月、移転完了は来年5月を予定。一般見学や小学五年生を対象とした「チーズの学校」などは今秋から実施する計画。
【神戸工場概要】所在地/神戸市西区見津が丘6-7-1(神戸テクノ・ロジステイックパーク内)▽規模/敷地5万1540.94㎡、延床4万7394㎡▽投資/約253億円(土地含め約300億円)▽年間生産能力/4万t▽従業員数(予定)/600人▽生産品目/プロセスチーズなど
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