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健康・栄養

整腸で粘膜免疫向上/大塚製薬

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「乳酸菌B240」の働きに注目

パネルディスカッションの様子(新開教授㊨と西沢氏、リモート参加の國澤氏)

大塚製薬は10月22日、「粘膜免疫」に関するプレスセミナーを都内で開催。新型コロナウイルス感染症に加え、これからの季節インフルエンザとの同時流行に対する危機意識が高まっている。セミナーでは免疫に対する2人の専門家が体調管理に有効な対策を語り、同社保有の「乳酸菌B240」の働きに注目した。

新開教授

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターの國澤純センター長は、「ウイルス予防につながる粘膜免疫」について説明。免疫には、血液や脾臓などの体内の免疫システムである「全身免疫」と、呼吸器や腸管、生殖器などの粘膜組織に存在する「粘膜免疫」とがある。細菌やウイルスなど多くの病原体は粘膜組織から感染し、粘膜免疫は病原体が粘膜組織から体内に入ろうとする最前線の防御バリアとして非常に重要な役割をする。

中でも代表的な粘膜免疫システムが腸管免疫。腸管壁では、病原体を侵入させないためのIgA抗体が産生されている。粘膜免疫を高めるにはIgA抗体の産生を増強させることが大切であり、そのためには乳酸菌の摂取が有効と言われる。

國澤氏はwithコロナ時代、免疫システムをいかに整え感染症の脅威に備えるか、そのために食事や腸内細菌による腸内環境の重要性を示唆。「不足した機能を乳酸菌などでいかに補うかも必要だ」と説いた。

國澤氏はリモートで参加

続いて医師・医学博士で女子栄養大学の新開省二教授が、「臨床試験から得た乳酸菌B240の効果」と題し「乳酸菌B240」を用いた健常高齢者による二つの臨床試験を紹介。乳酸菌飲料とプラセボ飲料による試験では、4週間で乳酸菌飲料による唾液中のIgA分泌が増加。乳酸菌入り錠剤とプラセボ錠剤の試験では、20週間で乳酸菌入り錠剤による風邪罹患割合が低下した。「乳酸菌B240」を継続摂取することで健康感が高まったという結果も得られ、新開教授は「健康関連のQOLも向上したと言える」と語った。

両者と日経BP総研客員研究員の西沢邦浩氏による、パネルディスカッション「2020年秋冬のウイルス対策と体調管理について」では、西沢氏は進行役として新型コロナウイルスと、インフルエンザの同時流行について両者に質問。國澤氏は「ウイルスの性質上、同時に発症する可能性は低い」としながらも、続けて感染、発症する可能性は否定しなかった。感染対策の第一はマスクなどによりウイルスを体内に侵入させないことだが、「日ごろの食事にも気を配ることで、免疫力の底上げも図ってほしい」と呼びかけた。

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