管理栄養士ら食のプロを対象に医学・栄養・料理の専門家が訴求
日本パスタ協会(加盟8社/飯塚茂雄会長)は、「〜パスタの魅力再発見!!〜」と題し、医学、栄養、料理の各専門家によるトークセッションを11月8日に東京會舘(東京都千代田区)で開催。低インスリン効果や地中海食の魅力を訴求した。
同協会は1972年設立から今年で47年目を迎え、国産パスタの特徴を広く伝える各種イベントを継続している。今回の取り組み(日本栄養士会後援)は、管理栄養士・栄養士に向けた乾燥パスタの啓発活動の一環として行われ約50人が参加。女子栄養大学出版部「栄養と料理」編集長浜岡さおり氏をモデラーに、医学博士・オリーヴァ内科クリニック院長横山淳一氏、学術博士・公認スポーツ栄養士東京家政大学准教授内野美恵氏、料理研究家青木敦子氏の4人によるトークセッションが展開された。
冒頭、飯塚会長=写真=は協会概要ならびに乾燥パスタの歴史、特徴を説明。パスタはデュラム小麦と水だけで作られる自然食品であり、しかも長期保存が可能。良質な植物性たんぱく質を豊富に含む健康食である点をアピールした。
トークセッションでは乾燥パスタの利点、医学・健康面でのポイント。地中海食の魅力と糖質ダイエットとの比較。パスタでのカーボローディングの訴求ポイント。食生活への取り込み方などが話し合われた。
低GI値食品としても知られるパスタ(41)は、その値は精白米88、玄米55、白パン70、コーンフレーク84等と比較しても低い。食事後の血糖値およびインスリン変動も白飯、麦飯との比較でも緩やかである点を横山氏が解説。
さらに健康効果で注目されるオリーブオイルと一緒に摂取する「地中海食」を伝統食とする地中海沿岸地方は長寿でも知られる。地中海食ではオリーブオイルと魚介類を中心としたバランスの良い脂質と、調理の簡便性が特徴。2008年にイスラエルで行われた肥満者(50歳前後、平均BMI31)を対象とした食事療法の論文を契機に地中海食の優位性が世界に知られることとなった。そこでは低脂肪食・地中海食・低糖質食の3つで、約2年にわたる体重の変化を観察。その結果、地中海食が最もリバウンドが少ないことが明らかになった。
また、パスタによるカーボローディング(グリコーゲンローディング)はエネルギー転換の早さや、スポーツ以外でも集中力を高める栄養学的利点も分かっている。1日に50%超の糖質を摂取する日常に対して、カーボローディングでは70%以上摂って、カラダを動かすエネルギー(糖質)を体内に蓄積させる。アスリートが競技前日の夕食や競技開始の4時間前等に積極的に取り入れていることで知られる。内野氏は古典的な方法と体への負担が軽い改良法を紹介し、自身の体質に合わせた取り入れを奨めた。
「パスタは生きる喜び」とまで語る横山氏は、毎日の食事でパスタを必ず食べるという。さらに「糖質は量より質を重視すべき。しかも地中海食は調理の簡便性が魅力。地中海食の良さを和食に取り入れた〝地中海和食〟をクリニックで奨めている」とパスタ愛を強調した。
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