品質向上に向けた活動を紹介
UCC上島珈琲は7月30日にコーヒーの品質向上に向けた活動を紹介するメディアセミナーを、UCCコーヒーアカデミー(東京・御成門)で開催。SCM本部原料輸入部の中村公佑氏が、生産国で行っている「品質コンテスト」の概要を説明した。
コーヒー豆は天候の影響を受けやすい農作物で、相場に左右される国際商品。そのため生産農家の収入は不安定となり他作物への転作、さらには廃業といったことも起こりコーヒー豆の調達が困難になる可能性もある。
そこで同社はコーヒー豆の安定供給と品質向上、生産者の収入アップ、品質管理の向上を目的に、2001年から世界一のコーヒー大国ブラジルで品質コンテストを開始。以後11年にハワイ、中国、14年にジャマイカ、15年にベトナム、16年にエチオピアでも展開し、延べ40回以上にわたって開催。通常流通するハイグレードから、スペシャリティに差し掛かる比較的栽培しやすいコーヒー豆が対象で各国の中小規模農家の底上げを狙う。
コンテストは同社、現地協力会社を通じて募集し、生産者が精選前のコーヒー生豆を提出。そこから外観やテイスティングが繰り返され入賞者が決まる。
入賞者には副賞として賞金、通常価格以上での購入、国によっては肥料、農機具を提供することもある。さらに日本での製品化も検討され、これまでも「UCCカフェメルカード」など直営店での販売が行われた。
コンテストで審査員を務める中村氏は、各国の実情を把握する。「生産者が自主的に取り組むからこそ、持続可能な発展が実現する。コンテストをきっかけに、生産者のモチベーションアップになっている」と確実な成果に胸を張る。
また、近年注目される環境目標SDGsとの関連性にも言及。「コンテストは約20年続けるUCCを代表するCSR活動。SDGsと合致する考え方もあり、今後も良好な環境循環と生産者とのパートナーシップを築きたい」と抱負を語った。
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