THE FOOD WEEKLY

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斬新戦略で一歩先/TWO~食の挑戦①~

投稿日:2022年10月28日

PBFの世界ブランドへ

左から東義和社長とフードクリエイターの鈴木佳太氏

〝ヘルシージャンクフード〟をコンセプトに、プラントベースフード(PBF)のブランド「2foods」を2021年4月に立ち上げたTWO(東京都渋谷区、東義和社長)。都内にある5店舗と直販サイトで、オリジナルメニュー約50種類を販売している。普及活動や販促手法も独創的で、新商品「エバーチキンナゲット」では驚きのキャンペーンを実施した。

味覚を刺激するおいしさと体を整える健やかさを併せ持つメニューで、日本発PBFのグローバルブランドを目指す2foods。PBFに特化したファストフード店を国内で多店舗展開しているのは同ブランドのみで、渋谷ロフト店・アークヒルズ店・銀座ロフト店・麻布十番店・ヤエチカ店の5店舗で展開中。

また第1号店である渋谷ロフト店には、PBFを中心とするさまざまなフードテック情報や製品を紹介する体験型展示スペース「FOOD TECH PARK」を併設。同様に各店舗はPBFに関わる情報発信拠点としての役割も担っている。

フードメニューはハンバーガー・麺・丼・カレー・サラダなど幅広く、ドーナッツやスイーツの種類も豊富。今年3月に発売した「エバーエッグオムライス」はカゴメと共同開発したもので話題となり、記憶にも新しい。東社長によると、オムライスの卵など汎用性や付加価値が高い商品などは「エバー」シリーズとして展開し、同商品も直販サイトで卵のみを「エバーエッグ」で販売している。

エバーチキンナゲット

10月16日発売の新商品「エバーチキンナゲット」(店舗用5ピース/通販用冷凍500g)は、国内特許出願中の独自技術によりチキンのような弾力感と繊維感を実現した至極の一品。コーンフレークを使った衣はクリスピーな食感で、大豆肉にありがちな臭いもなく、独自ブレンドのスパイスが食欲をそそる。

注目は付属の3色ソース。鮮やかなピンクは黒胡椒ガーリックマヨ風、イエローは植物性のチェダーチーズ風、ブルーはレモンタルタル。ソースも含め食品添加物はほぼ不使用で、開発者であるフードクリエイターの鈴木桂太氏=写真上㊨=は「既存の技術も生かし、コンセプトであるヘルシーとジャンクを味と視覚で表現した」と話す。

エバーチキンナゲットの普及戦略として打ち出したのは、「チキンマックナゲットを愛する、すべての人へ。」と銘打った一大キャンペーン。発売日から10月末まで各店舗では、マックナゲット購入レシート持参者に2ピースを無償進呈。同時に半額クーポンを渋谷で数千枚配布したところ、即座に反響があった。

同社調査によると、9割超の人がチキンナゲットと聞くとマクドナルドを想像する。マックナゲット愛好者にエバーチキンナゲットを食べてもらえれば「おいしさを分かってもらえるはず」と東社長は考えた。喫食機会を設けて体験者を増やすことが近道となるからだ。

日本では珍しい販促手法も海外では一般的で、グローバルブランドを目指すからこその投入であった。新機軸のメニュー開発に新店舗、エンタメとの共創など2foodsの挑戦はまだまだ続く。

2022年10月31日付

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