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道内の施設増強、さらなる地域密着へ/ニッポンハムグループ

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100周年迎えた函館カール・レイモンと最新設備導入の道南工場

レイモンハウス元町㊧と日本フードパッカー道南工場

日本ハムは北海道を拠点とする同社グループの設備を増強し、さらなる地域密着・活性化につながる取組みを進めている。
今年は日本ハム北海道ファクトリーの「函館カール・レイモン」が創業100周年を迎えており、北海道での感謝フェアや記念商品の展開、プロモーション活動などブランド再活性に向けた取組みに余念がない。次の100年に向けて継続的な革新で伝統を守っていくという。
また、畜産物の加工・処理などを行う日本フードパッカーで、豚処理を専門に手掛ける道南工場は最新鋭の設備を導入した拠点へと刷新、昨年3月から稼働を開始しておりグループの精肉・加工食品の品質維持や安定供給に大きく貢献している。

●函館カール・レイモン

函館カール・レイモン工場

1925(大正14)年、旧ドイツ(現在のチェコ共和国)出身の食肉加工マイスター、カール・ワイデル・レイモン氏が、函館に開いたハム・ソーセージ店が始まり。レイモン氏が国内に持ち込んだドイツの伝統製法をニッポンハムグループが継承し、83年に函館カール・レイモンとして設立、22年に日本ハム北海道ファクトリーと統合した。年間230t程度を生産しており工場直売店やレイモンハウス元町ほか函館・札幌の百貨店内の直営店で販売。地元を中心に生協や百貨店、一般スーパーでも人気が高い。

カール・レイモンさん

100周年を迎えた今年は、4月から2カ月に1度のペースで感謝フェアを開催しているほか、記念商品を発売。レイモン氏が製造していたスモークロースを「スモーク香るロースベーコン」として復刻。時間をかけ燻煙を繰り返すことでおいしく仕上げた。さらにレイモン氏の伝統製法で作られた2種のサラミ「パプリカ香るレイモンサラミ」「ワイン香るレイモンサラミ」もある。
工場見学にも注力。コロナ禍により現在は2千人規模の来館者数は、ここへ来て拡大傾向にある。100周年の記念メッセージの掲示も行い、4千人の来館者招致を目指している。さらにレイモンハウス元町店では新商品「チューリンガー(生ソーセージ) ガーリック」やソフトクリームにビーフジャーキーの塩味を提案する「ジャーキー&バウムソフトクリーム」などを展開。
これまで“函館のブランド”とした印象が強く、北海道ブランドとしてさらなる認知向上に取り組んでいる。

●日本フードパッカー道南工場

道南工場

日本フードパッカーは、1966年から54年にわたり豚肉処理・加工専用の工場として稼働を続けてきた旧道南工場を刷新、昨年3月から最新鋭の設備を導入した工場としてスタートした。
北海道八雲町に位置する同工場は、延床面積1万5991.6㎡、1日当たりの豚処理数は1500頭、従業員数270人。新工場として生まれ変わったことで面積は倍増、生産能力は1.4倍に拡大している。
設備としては、と畜やカットラインで機械化・ロボット化が進んだことが大きい。国内では初導入の大分割装置は、枝肉を前躯・中躯・後躯に自動で3分割する。枝肉といっても、サイズなどそれぞれ異なるため人の目で見て確認する必要があったが、最新設備ではAIが瞬時に見極め、的確に切断する(AI搭載の機器が切断、ロボットが分割)。内臓ラインの解体やもも・腕肉の加工など、従来のやり方では作業員の負担が大きかった工程が省力化できるようになった。

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函館カール・レイモン工場では、100年の伝統の味わいを、次世代に、そしてより幅広く伝えることが課題。100年ブランドの継承は簡単ではないが、塚本政伸工場長は「そのためにも時間をかけて人材を育成することが大切」と話す。日本フードパッカー道南工場でも最新設備と人材の技術の融合を重要視しており、歴史を作るのも高品質の追求も、人の成長なくしては実現できないことを改めて実感した。

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