184日間の幕を閉じる

ミャクミャクからの感謝の言葉で終演
10月13日、2025年日本国際博覧会が184日間の会期を終え閉幕した。160を超える国と国際機関が夢洲に集結し、約2800万人の来場者と万博従事者に新たな文化との出会いや価値観の共有の場を提供した。2030年リヤド万博(サウジアラビア)に向け、世界各国の挑戦が始まった。
閉会式は同日、大阪・関西万博内EXPOホール「シャインハット」で催され、皇嗣皇嗣妃両殿下もご臨席された。開式の辞を2025年日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長が述べ、続けて十倉雅和会長が挨拶。「大阪・関西万博を通じ、世界の多様性と一体感を再認識できた」と振り返った。さらに、「ここで得た経験や感動を世代を超えて繋ぎ、未来社会の創造に役立てていく。そのスタートは今日から」と強調した。

大屋根リング上には壮大な夜空が広がる
吉村洋文大阪府知事は府を代表して謝辞。「2800万もの思い出と交流が生まれた」と会期を振り返り、万博に関わったボランティアや警備員をはじめ、来場者や世界中の人々に向けて7回の「ありがとう」を述べ、「またいつの日か、ここ日本で万博を開催しましょう」と締めくくった。
政府を代表して石破茂首相も登壇。「分断より連帯、対立より寛容を大切に、多くの人に満足いただける博覧会を作り上げられた」と述べ、「新しい日本の幕開けになり、地方創生にも寄与した」と評価した。また、博覧会の成功を支えたマスコットキャラクター「ミャクミャク」に同日、内閣総理大臣感謝状を授与したことも報告した。

会期終盤は花火も盛大に
2025年日本国際博覧会名誉総裁を務めた秋篠宮皇嗣殿下は「関係者の熱意と協力により、盛況のうちに閉幕できたことを喜ばしく思う」と述べ、「これからも世界が協力し、いのち輝く未来社会を作り上げてほしい」と期待を示した。最後に伊東良孝内閣府特命担当大臣(国際博覧会担当)が大阪・関西万博宣言を行い、BIE旗降納・旗渡し式を経て、30年リヤド万博へバトンが渡された。

後半に連れて、賑わいを増す万博
日本の食も大躍進
大阪・関西万博では「食」も大きな注目を集めた。普段味わえない各国料理や、国内食品メーカー、業界団体による最新技術を活用した多様な料理や万博限定メニューが来場者の心に残った。
大阪外食産業協会(ORA)は唯一のパビリオン「宴~UTAGE~」を出展。目標の220万人超が来場し、限定メニューや食文化体験プログラムを通じ、日本の食文化を国内外に発信した。
また、オールグルテンフリーに挑戦した「GF RAMEN LAB 大阪・関西万博店」(ケンミン食品)は、9月7日時点でラーメンメニューの提供数が累計5万杯を突破。グルテンフリーの新たな可能性を見出した。チーズ代替植物性食品を使用したレストラン「QBBこれもいいキッチン」を出展した六甲バターの塚本浩康社長は、「植物性食品は消費者に口にしてもらうまでのハードルが高い」と課題を指摘。しかし、「たった184日間で延べ28万回もの体験機会を提供できたことは、大きな成果」と振り返った。
また、コンビニ大手3社も未来型店舗を万博内で展開。環境に配慮した持続可能な店舗づくりを掲げ、得意のおにぎりやホットスナック、ドリンクとともに来場者に新しい消費体験を提供した。
期初には経済波及効果約3兆円が見込まれており、関西エリアの活性化に大きな刺激となったことは間違いない。国内外の来場者を通じて地域の魅力が発信され、今後の街の賑わいに期待がかかる。
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