2024年は前年の4割程度の水準に
主要食品メーカー195社の価格改定動向調査(帝国データバンク)によると、10月の食品値上げは2911品目にのぼり、4月の2897品目を上回って年内最大の値上げラッシュとなる見通しを示した。
10月の値上げでは酒類・飲料が最多となり1362品目で46.8%占めている。加工食品は673品目でハム・ソーセージが一斉値上げに。そのほか菓子は237品目でそのうちチョコが半数超を占めるなど、引き続きビーンショックの影響が及んだ。
2024年は、当初沈静化が予想された原材料高などの影響が長期化したほか、一時1ドル=160円を突破する記録的な円安も加わり粘着的な値上げ圧力が継続。価格設定も23年に比べてさらに厳しい局面へと向かった。これに対し、実質所得が伸び悩む中、購入点数の減少、安価なPB商品への変更、買い控えといった〝値上げ疲れ〟への消費行動が定着していった。
しかし、カカオ豆や食肉製品など、世界的な異常気象などによる影響を受けた食品では複数回におよぶ値上げが実施されたものの、値上げの見送りや内容量の減量など価格を極力維持する傾向が強く値上げの勢いに後退感がみられる。また、足元ではコメ不足による原料米の価格高騰を背景にパック米飯で一斉値上げの動きがあったが、11月は総じて落ち着いた推移が見込まれている。
帝国データバンクでは今後の見通しも発表。2024年(通年)の値上げは1万3000品目以下になるものと見られ、前年に比べ4割程度にとどまると推定した。
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