営業推進体制強化が進む
日本アクセスは2024年3月期(第72期)決算を5月22日に開示。3年連続の最高業績となった。同社は5月31日に本社で決算記者会見を開催し、服部真也社長が概要説明を行った。
売上高は前期比106.3%の2兆3366億700万円、営業利益は120.1%の302億8700万円、経常利益は122.4%の319億2200万円、親会社株主に帰属する当期純利益は122.6%の213億4000万円の増収増益。販管費106億円の増加分を、売上総利益156億円の増加で補った。営業推進体制強化が着実に進んだ。経常利益率は0.18㌽上昇し1.37%。服部社長は、第8次中期経営計画(2022年度~24年度)で掲げるフルライン化や次世代ビジネスの拡大、利益改善、物流効率化に対する取り組みが「着実に実行できた」と一定の評価を示した。
なお、売上高の市場分野別、業態別、温度帯・カテゴリー別、エリア別概況は次の通り。
市場分野別=市販用1兆7203億円(前期比106.2%)、中食3670億円(105.8%)、外食1296億円(109.3%)、ロジスティクス事業1908億円(97.6%)。ロジ事業の減収要因は、3PL事業における主要取引の減少による。▽業態別=リージョナル・チェーン8213億円(106.7%)、ナショナル・チェーンG3701億円(103.1%)、ドラッグストア1890億円(111.5%)、CVS5492億円(106.2%)、外食・デリカメーカー3356億円(106.3%)、卸売業521億円(102.2%)、その他293億円(106.9%)。
温度帯/カテゴリー別=ドライ8742億円(105.3%)、チルド7498億円(108.0%)、フローズン5114億円(108.8%)、物流収入・その他事業2012億円(98.9%)。業務用商品・生鮮商品は5592億円(106.2%)。その内、ドライ(構成比40.9%)は、清涼飲料・嗜好飲料1974億円(106.6%)、乾物乾麺・他加工食品1717億円(同)、菓子1009億円(103.0%)、調味料953億円(102.0%)、酒類478億円(105.6%)、原料216億円(108.3%)。チルド(構成比35.1%)は、洋日配・乳製品4438億円(110.1%)、和日配1808億円(104.0%)。フローズン(構成比24.0%)は、市販用冷凍食品1578億円(106.7%)、アイスクリーム1540億円(113.8%)。
そして、通過額2兆5295億円(99.7%)を含めた総事業規模は、1300億円増の4.87兆円。総拠点数は営業拠点数87を含む594拠点。1日の稼働契約車両台数は、約200台減少し約7400台。
第8次中期経営計画の最終となる今期は、売上高2兆4200億円、経常利益316億円、当期純利益211億円の増収減益計画。物流費や電力料、人件費等の増加を見込む。中計総仕上げに加え、次期中計に向けた仕掛けの一年と捉える。重点取組施策の計画達成に向け、強みとなるビジネスモデル構築と収益の拡大、高効率な経営を推進する。
基本方針として、卸売事業のトップライン拡大と収益力の強化に加え、物流2024問題への対応と物流の最適化を図る。さらにフルライン化に向けて、菓子、酒類、ノンフード事業の機能強化と新たなビジネスモデルの構築。マーケットインの発想に基づくオリジナル商品の開発強化に取り組む。外部環境の変化に対応し、生鮮・デリカ・外食事業はスピードを上げて中核事業へ。情報卸・EC事業は消費者の購買行動の変化に合わせ、新たな価値創造へとつなげていく。
具体的には、マーケティングを起点としたビジネス展開で、デジタルを活用したソリューション提供で販売数量の拡大を狙う。海外事業による新たな需要創出もポイントに。現在中国を中心に展開する海外事業だが、東南アジアのパートナーとの連携で、小売業、メーカー、外食企業の海外進出をサポートする。
そして、物流2024年問題等の社会課題の解決提案・協業も推進する。フローズンマザーセンターの全国展開が鍵を握る。今期中に東北・中部・九州での稼働を予定。パレチゼーション導入で、作業生産性が3倍以上向上となる。
2024年6月10日付