小出社長が企業理念「良品質主義」「広告宣伝主義」の徹底を強調
桃屋は2019年12月26日に本社で会見し、9月期決算の概要を発表。小出雄二社長が20年の100周年に向けて、改めて企業理念を徹底する考えを示した。
9月期業績は売上高が前期比101.3%、営業利益102.4%、経常利益106.3%。営業利益ベースでは6期連続(経常利益では5期連続)で増収増益を達成。小出社長は100周年を迎える今期について「7期連続を目指す」と力強い。さらに次の100年に向け、企業理念である「良品質主義」「広告宣伝主義」を徹底的に推し進める考えを示した。
同社の看板商品でもある「江戸むらさき ごはんですよ!」に代表される海苔佃煮、中華食材「桃屋の味付 メンマ」「同 搾菜」といった商品は製造工程の詳細をYouTubeで公開しているように、素材へのこだわりと手間暇を惜しまない製造工程には、「他社にはマネできない」と小出社長。
さらに近年は〝おいしさ〟〝使い方〟を訴求する宣伝・プロモーションに力を入れており、「桃屋のきざみしょうが」「桃屋のきざみにんにく」に代表される〝食べる調味料〟の販売が好調で、昨年も2桁伸長をマークした。〝ごはんのお供〟→〝料理のお供〟へと用途拡大を図り、社長夫人自らが考案するアイデアも含め340超のレシピを開発。営業マンは必ずレシピを試作し商談に持参、店頭での試食販売を強化するなど、粘り強さで業績を伸ばしている。
さらに人事制度の見直しも図り、営業マンには成果主義を導入。年1回は社長自らが営業マンとの面談の場を設け、営業強化も並行して実践している。
そして次の100年に向けて、①国内の瓶詰製品強化②熟成にんにくエキス入り黒みつ「桃屋のいつもいきいき」(機能性表示食品)の育成③海外事業の3つを掲げた。
小出社長は「国内瓶詰製品には、まだまだポテンシャルがある」と自信を見せる。現状、世帯当たりの保有率は1割程度と推察。これを全世帯に普及することを目標に、徹底訴求を続ける。
さらに構想から7年。瓶詰製品で長年培った知見を活かした熟成にんにくエキスを通じて、生活者の健康に貢献する。同商品には「睡眠の質の向上」「日常生活で生じる疲労感の軽減」が期待できる。有用成分「S―アリスシステイン」は生ニンニクの80倍、黒ニンニクの10倍を含有する。
海外は現在約70カ国への輸出があり、近年はスペインが好調だ。同国では約1000店舗のレストランで「桃屋のキムチの素」が主にソースに使われている。小出社長は「夢は世界中のレストラン」と語り、海外展開の強化を図っていく。
また、前期業績で好調に推移した品群・商品は次のとおり。品群=海苔佃煮100.5%、食べる調味料110.6%、キムチ調味料102.4%、調味料110.8%。商品=「江戸むらさきごはんですよ!145g」101.5%、「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油」102.1%、「桃屋の穂先メンマやわらぎ(お徳用含む)」101.3%、「桃屋のきざみしょうが(同)」103.6%、「桃屋のきざみにんにく(同)」112.4%。
なお、100周年は2020年4月5日。従業員向けのパーティー開催や、レシピ本の発刊等を予定している。
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