顧客管理の不明確で〝やみくも営業〟に
マーケティングとセールスの総合ソフトウェアを提供するHubSpot Japan(共同事業責任者:伊田聡輔、伊佐裕也)は12月2日、都内で会見し「日本の営業に関する意識調査」を発表。第四次産業が進み働き方改革や業務の効率化などが社会的課題として表面化する中、旧態依然とした日本の営業職の実体を明らかにした。
調査対象は全国の法人営業に関わる経営者・役員515人、営業担当者515人、ビジネスシーンで商品やサービスの買い手となる経営者・役員・会社員310人の計1340人。回答はオンライン上(マクロミル)でのアンケート方式を採用。期間は2019年10月18~24日。
調査の結果、日本の法人営業担当者は社内会議や報告業務、移動に関するものなど働く時間の25.2%が「ムダ」であると回答。これは給与所得者の時給を2186円、1日の労働時間9.5時間、1カ月の営業日数21日、労務人口62万人で年間算出すると約8300億円に相当。個人営業を含む営業職全体では4兆円を超えるという。
経営者への調査では、32.9%の組織が顧客情報の管理が明確になっていない現状も見え、いわゆる〝やみくも営業〟の実体が明らかになった。
一方、買い手への質問で自社訪問がなくてもいいと考えている人は29.4%、訪問して欲しいが70.6%。訪問を望む人の理由は誠意と安心感。しかし、成約率(成約数÷商談数)では非訪問型営業を取り入れている組織39.6%、訪問営業のみの組織41.6%と大きな差はない。
シニアマーケティングディレクターの伊佐裕也氏は、顔を見せて訪問するのが礼儀という習慣が疑われていないと説明し、訪問以外の手段を模索する必要を示唆した。
訪問以外の具体策としては条件を満たした案件のみを訪問するようにするほか、誠意の基準を「自身の時間を使う」ことよりも「相手の時間を不要に使わない」ことへの意識改革も一つだと調査結果をもとに解説した。
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