〝3つの超える〟戦略で「BOSS」躍進
サントリー食品インターナショナルは2月19日に「BOSS」ブランド2020戦略説明会を都内で開催。柳井慎一郎常務執行役員ジャパン事業本部ブランド開発事業部長が概要を説明した。
19年のBOSSブランド計の販売実績は1億1180万箱(前年比104%)。飲料総市場が98%で推移する中、発売以来27年連続成長を達成した。飲料総市場のブランド別販売数量でも1位の「サントリー天然水」に次ぎ、BOSSは前年3位から2位に躍進。柳井常務は「圧倒的に市場をけん引した」と振り返り、好調要因に「一服」「ちびだら」「イエナカ(家庭内)」バリューに焦点を当てた「3つの超える」戦略を挙げた。一服バリューではショート缶の施策、ちびだらバリューは紅茶を投入したクラフトボスの拡大、イエナカバリューは濃縮飲料の浸透に手応えを示す。
20年も引き続き「3つの超える」戦略を展開し、各バリューに沿った新商品を発売する。ちびだらバリューは、昨年シリーズ計で3400万c/sを突破した「クラフトボス」を強化し、ブランドのけん引役として期待。3月3日から発売する新商品「クラフトボス スペシャルティ微糖」(500mlPET/170円など)は5種のコーヒーをブレンド、職人技による深い味わいで本格的な味わいを好む40代以上を狙う。
昨春発売の好調な「クラフトボス」紅茶シリーズからは、第3弾「クラフトボス レモンティー」(500mlPET/160円)を4月21日から新発売。シチリア産有機レモン果汁を使用したやわらかい香りと酸味が楽しめる、すっきりした甘さにこだわった。3月から同商品がもらえるツイッターキャンペーンなど、大規模プロモーションも実施する。
一服バリューはGABA、アルギニン、ビタミンを配合したエナジードリンク「アイアンボス」(250ml缶、150円)を3月17日から新発売。「コーヒーじゃダメなときに。」をメインコピーに、ストレス社会に生きる30~40代男性をターゲットにする。
ショート缶市場は縮小傾向で今年も厳しい環境が予想される中、新商品に加え、ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズを起用したコミュニケーションにも力を入れる。柳井常務は、ショート缶市場の下げ止まり感を示しつつも「今後も縮小は否めない。テレビCMは好評を得ており、ヘビーユーザーに向けた継続的な絆提案で存在感を示したい」と展望する。
イエナカバリューに向けては濃縮タイプ飲料「ボス ラテベース」を、「ボス カフェベース」とネーミングも変更して3月10日からリニューアル発売する。共働き世帯の増加、在宅勤務の推進で家庭内でより本格的なコーヒーが求められると分析し中味を刷新。1本で約10杯作れるコストパフォーマンスはそのままに濃縮倍率を上げ(4倍濃縮→5倍濃縮)、牛乳だけでなく水で割っても楽しめるブラック飲用、ラテ飲用の兼用化を提案する。「ボス カフェベース 無糖」「同 甘さ控えめ」「同 焦がしキャラメル」「同 紅茶ラテ」「同 贅沢カフェインレス」(各340mlPET、278円)をそろえる。
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