設立90年の「ひまわり乳業」/四国唯一の農協系ブランド「四国乳業」
酪農乳業ペンクラブ(加盟16社)は7月4・5日、ひまわり乳業(高知県南国市、吉澤文治郎社長)と、四国乳業(愛媛県東温市、三好晶夫社長)を訪問し、四国地区の酪農乳業視察研修会を実施した。
ひまわり乳業は1922年に創業、46年に高知牛乳食品として法人化から今年で設立97年を迎える。牛乳、乳飲料、発酵乳、清涼飲料、デザート類などの製造・販売を手掛け、高知県南国市を拠点に四国全域から関西、関東へと商圏を拡大。従業員数は139人(2018年3月現在)。
牛乳は主力の「ひまわり牛乳」、高知県産生乳を100%使用した「高知の牛乳」をはじめ、牛乳パックに搾乳日を記載した「搾乳日のわかる低温殺菌牛乳」などを揃える。また地元生産者グループと協力し、青臭くない青汁を目指し青汁飲料「菜食健美」を開発。年間を通して冷涼な気候の大豊町の契約農家が栽培したケールやブロッコリーなど10種類の野菜をブレンドし、飲みやすく仕上げた。販売エリアは四国だけに止まらず、各地の乳業メーカーの協力を得てエリアごとの菜食健美を発売。関東圏では「飛騨菜食健美」として販売される。
吉澤社長は「地元の生産者との距離の近さが当社の強みのひとつ」と語り、地元の新鮮な原乳を活用した商品の育成・開発に意欲をみせた。
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5日に訪問した四国乳業は四国唯一の農協系ブランド乳業メーカー。同社は愛媛県酪農業協同組合連合会、国、県の出資で1968年に設立。同社で製造・販売する牛乳・乳製品は「らくれん」ブランドとして展開している。製造拠点は本社、京都(八幡市)の2工場で約180品目を製造。本社工場を中心に「らくれん」商品を製造しており、四国をはじめ、主に中国、関西地方で販売を行っている。営業拠点は愛媛、香川、徳島、高知、関西の5支店。従業員数257人。
牛乳・ヨーグルトの主力ブランドは四国の生乳を主体にした「らくれん牛乳」、機能性表示商品「8020ヨーグルト」や柑橘果皮の機能性に着目し、愛媛大学との共同研究で生まれた「エヌプラスドリンクヨーグルト」などを販売している。
2017年10月に発売した「エヌプラスドリンクヨーグルト」は、ミカン果皮に含まれるノビレチンと、B―ラクトグロブリンを配合しているヨーグルトで、定期的に摂取することにより、アレルギー症状の緩和が期待される機能性ヨーグルト。現在は機能性表示商品の申請を行っている。
三好社長は今後の方針について「自社製品はもちろん、これまで培ってきた産官学連携と開発力の高さを活かし、地域の素材を活用した商品開発に注力していく」と語った。
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