ミルクセミナー「タンパク質の効果的な摂取法」
一般社団法人Jミルクが6月28日にオンライン開催したメディア向けのミルクセミナーで、立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授=写真=が「タンパク質の効果的な摂取法」についての最新知見を紹介した。
厚生労働省が昨年改定した「日本人の食事摂取基準」において、65歳以上のタンパク質目標摂取量が総エネルギーの15~20%に引き上げられた。また、20代女性の2割がBMI18.5未満の「やせ」であることなどを受け、食品メーカーではタンパク質が多く含まれた商品を販売するなどして、過不足分の摂取を後押ししている。
合成・分解を繰り返している筋肉の全体量が不足すると、糖尿病・心疾患などの発症リスクを高めるだけでなく、死亡率が大幅に上昇する。筋肉量を増やすにはレジスタンス運動いわゆる筋トレが不可欠であり、運動後に適正量のタンパク質を摂取することが必要である。
しかし、タンパク質は体内に貯めておくことができない。そのため一度に大量摂取するのではなく、運動後の食事により取るべきであり、食事まで時間が空く場合には、タンパク質高含有食品などで補給するのが望ましい。
逆に筋トレ前の大量摂取や、短時間ごとに少量を頻繁摂取するのは非効率。筋トレを伴わない食事では3食でタンパク質を均等量で摂取し、3食が無理な場合は朝食を優先する。就寝前摂取の優位性については、少なくとも運動科学分野では「現時点で明確な根拠は見当たらない」と藤田教授は述べた。
なお、筋トレ効果は2日間持続する。過度な筋トレの長期継続は心身への負荷が大きくリスクも増すので、特に高齢者などは、軽い負荷の筋トレを回数多く行う方がより効果的であるといえる。
また、筋肉を合成する際のスイッチ役となっているのが必須アミノ酸のロイシンで、加齢によりロイシンの必要量が年々増加することが判明している。
従って、ロイシン含有率が高い牛乳・ヨーグルト・チーズなど乳由来のタンパク質を中心に3食で必要量を摂取することが、筋肉量を維持するためには最も効率的であると、藤田教授は結論づけた。
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