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№1早ゆでが海外へ/日清製粉ウェルナ

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ベトナムで初のBtoC

岩橋恭彦社長

日清製粉ウェルナは、今秋ベトナムでのBtoC事業を本格展開するとともに、「HAYAYUDE(早ゆでスパゲティ)」の世界戦略を開始する。8月6日に都内で開いた記者発表会で、岩橋恭彦社長が成長戦略を語った。

コア事業「常温家庭用」の強化をベースに、3つの成長戦略「海外」「業務用」「冷凍食品」での取り組みを強化。中でも常温家庭用で展開する「マ・マー 早ゆでスパゲティ」シリーズは2011年の発売から毎年売り上げを伸ばし、23年度には「マ・マー 早ゆでスパゲティFineFast 1.6㎜ チャック付結束タイプ 500g」が日本で一番売れているスパゲティ(インテージSRI)となった。好調な販売を支える要因は「おいしさ」と「早さ」の両立にあると同社は分析。岩橋社長は、日本独自に進化を遂げ市場の約2割までシェアを拡大してきた早ゆでシリーズへの手応えとともに海外展開を検討。海外7カ国での時短ニーズ調査でも高い評価を得たことから決断に至った。

シアルパリで展示するHAYAYUDE(右)と、ベトナムで展開する市販用商品

現在、早ゆでスパゲティの生産が可能な拠点はマ・マーマカロニ、メダリオンフーズ(アメリカ)、トルコ日清製粉の3カ国。マ・マーマカロニは主に東南アジア、メダリオンフーズは北米、トルコ日清製粉は欧州への販売が可能だ。まずは10月にフランス・シアルで開催予定の世界最大級の国際見本市「SIAL Paris2024」に初出展。「HAYAYUDE」パスタを現地で販売していく。また東南アジアでは、今秋のベトナムでのBtoC事業本格参入に合わせて、専用パッケージ品を展開する。

「SIAL Paris2024」では、〝日本№1〟をキャッチコピーに、うどんや天ぷら等のミックス粉や冷凍食品を訴求する。具体的にはタイ日清製粉で製造した冷凍食品を欧州で販売する計画も検討している。

ベトナム市場は、人口が約1億人、平均年齢32歳と非常に若く、GDP成長率も著しく、生産拠点・消費市場の両面での魅力が高い。同国では2013年にレトルト食品を製造するベトナム日清製粉を設立し、18年には業務用プレミックスを製造するベトナム日清テクノミックを立ち上げ、昨年から日本向けから揚げ粉の製造も始めている。そして今年7月に営業所を開設し、BtoC事業の本格展開を始めた。

同国ではほとんどの世帯(98%)が共働きで、自宅での調理頻度は毎日の家庭が63%、週5~6日を含めると74%と自炊頻度が高く、簡単調理をサポートする加工食品へのニーズが期待される。これまで家庭訪問やWEB調査を通じて、その消費者ニーズを分析。日本とは異なる食動向や嗜好性を確認し、商品開発に生かした。7月から販売を開始したのはレトルトのパスタソースと炊き込みご飯の素、プレミックス製品。HAYAYUDEスパゲティ、冷凍パスタも順次展開し、来春には20品目近いラインアップを見込む。9月6・7日には、現地で大規模な製品発表会を予定する。

具体的な販路については、ホーチミン市を中心に約9000店舗のモダントレード(近代的小売)と、約66万店のトラディショナルトレード(伝統的小売)にアプローチする。もう一つはECサイト。既に同国での公式WEBサイトを立ち上げ済みで、日本以上に発達するSNSを活用した広告宣伝を行っていく。

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この他、岩橋社長は環境/物流問題への取り組みについても言及。2030年度に掲げたCO2排出量目標(13年度比50%削減)を、6年前倒しで今年度に達成させる見通しだ。非化石証書導入による海外工場での実質再生可能エネルギー100%化と、マ・マーマカロニ神戸工場でのカーボンニュートラル化、国内外工場でのクリーン電力化が進んだ。

さらに2024年物流問題への対応では、冷凍食品のパレット輸送化が進む。冷凍製品のサイズ見直しにより、内容量をそのままにパレット積載効率を1.5倍向上。1パレット当たりの積載ケース数は32→48へと効率化が進み、輸送全体の約半分でパレット輸送化の目途が立った。

さらにEC事業では、Amazonに専用サイトを開設。これにより全製品を消費者が買える環境が整備できたこととなる。

2024年9月2日付

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