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約4年の歳月かけ待望の「大丸心斎橋店本館」がオープン/大丸松坂屋百貨店

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歴史を守りながら新時代の百貨店へ進化

心斎橋のランドマーク「大丸心斎橋店本館」

大阪・心斎橋で約300年の歴史を誇るランドマーク「大丸心斎橋店本館」(大丸松坂屋百貨店)がついに9月20日13時からリニューアルオープン。86年ぶり、約4年もの歳月をかけて作り上げた新本館は歴史を守りつつもトレンドをふんだんに取り入れた、まさに進化する大阪を体現する店に生まれ変わった。

9月18日に報道陣に公開された。新本館は「Delight the World~世界が憧れる、心斎橋へ。」がコンセプト。今までにない「未来に向けた新しい百貨店」を目指すと共に、心斎橋界隈で活況なインバウンドの取り込みも強めている。

西阪義晴店長は「ここでしか体験できない驚きや発見を発信する」と意気込む。国内客には食を中心に魅力を発信し、海外客にはポップカルチャーを提案し、訪日客のハブ拠点にする考えだ。足下の心斎橋筋商店街は週末の歩行者数は約15万人に達し、路面商業では国内最高水準のポテンシャルを持つ。インバウンドの多さが目立つが実は周辺の中央区・西区は5年で5%人口が拡大し、足下の集客も見込める。さらに今後は北館が改装に入り、21年春のオープンを予定する。

西阪店長

新本店は従来行われていた性別・年代・カテゴリ等の編成を脱し、全12フロアそれぞれにコンセプトを設定。例えばB2Fの心斎橋フードホールは「五感が刺激されるライブキッチン」。9Fは「モノ・コトを通して〝本物の日本〟を世界に向けて発信していくフロア」といったものだ。
館内はこれまでの歴史を維持しつつも、世界的クリエイターとコラボした最新技術を導入。旧本館はアメリカのウィリアム・メレル・ヴォーリズによる建築で文化財学的にも有名だが、この外壁と内装は保存・復元し約67%のパーツを再利用。そこに現代クリエイターによる新たな息吹を加えた。1Fエントランスには彫刻家の名和晃平氏による新作「鳳/凰」を展示。エスカレーターサイドにはライゾマティクスデザインが手掛けたシンボル「D―WALL」を設置。さらに再生可能エネルギー利用率100%、屋上・テラスの緑化など環境に優しい取り組みも推進した。

また新百貨店モデルとして、テナントの約6割強を定期賃貸借契約とした。売り場でのさまざまな制約を抑えることができ、消費者の求める店舗の導入を促進。百貨店の収益を向上させる狙いもある。心斎橋フードホールではスマホで事前注文可能なシステムを導入。
各階の構成は、B2Fはライブキッチンが自慢の心斎橋フードホール、B1Fは新業態・関西初出店多数のフーズ・婦人洋品雑貨、1Fはコスメ、2~6Fはファッション。7Fはカフェ、ビューティなどを集め、御堂筋が眺められるテラスダイニングも併設したオアシス空間。8Fは日本の伝統工芸品や雑貨を集めたライフスタイルを提案。9Fはジャパンポップカルチャー、10Fはレストラン。

新本館には食品メーカー直営の新業態店舗が満載。注目はハウス食品の「ハウス クワエルスパイス」(B1F)。〝スパイスで食生活をもっと豊かに、楽しく暮らしにスパイスをくわえよう〟がコンセプトのイートイン&テイクアウト店で、客自らがカレーにスパイスを加えて味の変化が楽しめる。看板メニューは27種類のスパイスをふんだんに使用した、店内仕込みの「オリジナルビーフカレー」(962円)。甘口と中辛が選べる。そのままでもおいしいが卓上の3種のミックススパイスをかけて楽しめる。ミックススパイスは味がイメージしやすいよう、グリーンペパーやカルダモン等を使った「爽快な香り」、クローブやシナモン等を使った「甘みとコクの余韻」、ブラックペパーやカイエンペパー等を使った「クセになる辛さ」を用意。カレーの他にはスパイスで味付けしたおつまみ「チキン65」(393円)、「スパイスチャイ」(442円)など、スパイスを存分に楽しめるメニューが盛り沢山。

伊藤園はお茶中心のコンセプトショップ「Four Green Leaves ITOEN」(7F)を初出店。「お茶の〝みどり〟をカラダに取り入れる幸せ」をコンセプトに、仕事や家事などをがんばる女性に、お茶を通じて癒しと安らぎを届ける。こだわりのお茶の試飲販売やイートインで商品を提供する。月ごとに変わる産地別緑茶「今月の緑茶【HOT&COLD】」(450円)、抹茶の旨みを存分に味わえる宇治抹茶100%、ジャージーミルク100%使用の「宇治抹茶ジェラート」(480円~)を販売。茶殻をリサイクルした包装紙やコースターなどを使用し環境にも配慮した。

フジッコは子会社の味富士運営の発酵バター専門店「BUTTER ROUEN」(B1F)を初出店。店名はバターにゆかりの深いフランス西部ノルマンディー地方の古都ルーアンから。ルーアン大聖堂ではランプの燃料にバターを使ったとされ、バターで特別な食シーン演出を目指す。

北海道産生クリームを同社独自の「カスピ海乳酸菌」で24時間以上発酵させ、伝統のチャーン製法で、なめらかでやさしいコクのある発酵バターに仕上げた。合成着色料や保存料は不使用。商品はプレーンの発酵バター、素材をブレンドしたフレーバーバターが10種(カップ入1674円等、グラス入3186円等)。料理に使いやすい「ガーリック&ダブルハーブ」「ゲランドの塩&トマト」、スイーツ系の「トロピカル」など。発酵バターをサンドしたパンケーキサンドは8種。ビスケットは6種でギフトボックスも用意した。

不二製油グループ本社は「UPGRADE Plant based kitchen」(B2F)を初出店。新豆乳素材や大豆ミートを使用したハンバーグ、唐揚げ、サラダ、デザートなど幅広い惣菜やイートインメニューを販売。大豆肉ながらジューシーでボリュームある「大豆ミートから揚げ~油淋鶏風~」(500円)、豆乳やナッツを使用し動物性素材不使用の「ボタニカルパフェ」(650円)等。下に続く。

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(スライド写真は12枚)

菓子等の関西初出店も多数。萩の月でおなじみの菓匠三全(宮城県)は「HONMIDO」(B1F)を関西初出店。和の素材に洋のエッセンスを加えた商品展開。「本実堂サンド(きな粉・抹茶)」(4個入680円等)は淡雪に薄く焼き上げたラング・ド・シャを重ねた。同店限定「きな粉ダックワーズ」(3個入860円等)も販売。白い恋人でおなじみの石屋製菓(北海道)は「ISHIYA」(B1F)を関西初出店。白い恋人は販売せず「サク・ラング・ド・シャ」(18枚入1944円等)など道外限定品を販売。同店限定「ラフ&スイーツゆきどけ」(6個入1620円)は吉本興業との和解を経て生まれたコラボ品。フィナンシェの中にキャラメルソースを閉じ込め白くコーティング。

関西初出店の「寝かせ玄米と日本のいいものいろは」は熟成工程により、もちもちで甘く旨みも強い寝かせ玄米を使ったパック米飯(286円等)、手作りおにぎり(200円等)を販売。

この他、心斎橋フードホールでは、ケンミン食品がビーフンと焼小籠包の専門店「神戸南京町YUNYUN」を出店。同店限定で動物性の食材・調味料不使用の「ヴィーガンビーフン」(500円)を販売。ヴィーガン向け料理は「あげもんや六攪燈」も。肉のスギモトは精肉店併設の肉バルを展開。10階レストランは「京都祇園 天ぷら圓堂」「すし萬」等の老舗の他、「銀シャリげこ亭」、「大起水産回転寿司」「ぷれじでんと千房」など地元の人気店も多数。

インバウンド集客の要は、日本が世界に誇るポップカルチャーが9階に集結。最注目は「ポケモンセンターオーサカDX&ポケモンカフェ」。人気のポケモングッズやカフェを用意。さらに「ジャンプショップ」、カフェにフィギュアを展示した新業態「タリーズコーヒー KAIYODO」もユニーク。ローソンは外貨両替機導入に加え、ハラール商品、お土産、くまモングッズを強化。

【新本館概要】所在地/大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-7-1▽売場面積/約4万㎡(旧館約3万㎡)▽階数/地上11階~地下3階(売り場地上10階~地下2階)▽総店舗数/368(うち新業態47、関西初41)▽営業時間/ショップ10~20時半。フードホール10~23時。レストラン11~23時▽休業日/元旦・不定休▽年商目標/890億円(19年1-12月の新本館・北館・南館合算)

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2019年9月30日付(スライド写真は10枚)

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