会員100万人も射程圏内

左から野澤知広副社長、バラット・ルパーニ社長、太田正道副社長
イオングループで最先端の流通DXを推進するイオンネクストは、ネット専用スーパー「Green Beans」サービスの提供開始から2年。このほど物流現場での生産性向上や従業員の負担軽減に向けて、誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)に最先端のロボティクスソリューション「オングリッドロボットピック」と、「オートフレームロード」を本格導入。人手による作業負担を約3割削減する。
30台導入された「オングリッドロボットピック」は、最先端のロボットピッキングで、多様なサイズ・形状・重量・傷つきやすさを持つ商品を、AIがその場で認識・判断し、袋詰めまでを実施。グリッド(商品棚)上から商品を直接取り出すことで、従来人手で実施している場所の省スペース化と生産性の向上を実現。1日あたり約20万点の商品ピッキングが可能。対象商品数は約3000品目から開始し、25年度中に約1万品目へと拡大を見込む。
また、4台導入された「オートフレームロード」(2台稼働中)は、配送直前の注文ボックス(トート)を、配送用フレーム(台車)に自動で積み込むロボティクス技術。配送準備の中でも特に重労働な作業において、画像認識カメラとAIにより、トートの形状や重さ、フレームの状態をリアルタイムで把握し、人手を介さず最大20㎏のトートを最適な位置に自動で積載する。重労働を完全自動化し、作業者の負担を大幅に軽減。さらに、配送車への積載効率や重さのバランスにも配慮した設計となっている。
6月30日に誉田CFCで事業方針説明会を実施し、最新機器を報道陣に公開した。バラット・ルパーニ社長は、「Green Beans」提供開始から登録済顧客は計画通り60万人以上に達し、平均バスケット単価は計画を上回る1万円以上(コアユーザーは1万5千円以上も)、リピート注文比率は90%以上と順調に推移していると説明した。また、競合するネットスーパーと比べて顧客満足度(NPS)が17(他社平均-14)と非常に高いことをアピールした。今年度中に会員数100万人を達成する方針だ。
今後もオリジナル商品の拡充や、ワオンポイントでの支払いを可能にするなど利便性の拡大、配送エリアを東京23区外、埼玉と神奈川での拡大を計画する。2026年度中に八王子CFC、27年度中に久喜宮代CFCの完成に向けて予定通り。
なお現状の事業規模に関しては、スーパー20~30店舗分(野澤知広副社長)としており、東京都内での実店舗が手薄な分をカバーできている。引き続き黒字化までは時間を要する見通しを示した。
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