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「腸活」の新常識に/短鎖脂肪酸普及協会

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認定マークを付与へ

福田真嗣代表理事

腸内環境改善の鍵を握る短鎖脂肪酸の認知と理解を広げるため、8月20日に発足した一般社団法人短鎖脂肪酸普及協会(代表理事福田真嗣)は、11月27日に都内で会見。学術アドバイザーを務める京都府立医科大学教授の内藤裕二氏、北里大学教授の金倫基氏、参画企業とともに短鎖脂肪酸の有用性を示し、今後はエビデンスを取れている商品に対しては独自の認定マークを付与していくことを発表した。

短鎖脂肪酸は腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖を分解して産生する代謝物質のひとつで、主に酢酸、プロピオン酸、酪酸の3種類がある。最新の研究成果では、便通改善や免疫機能の増強、肥満抑制、アレルギー抑制、持久力の向上など多様な健康機能を有することが明らかとなっている。そして現在まで悪影響の報告もなく、長年にわたって研究を進めてきた福田真嗣代表理事(メタジェン社長CEO兼慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授)は「〝ミラクル物質〟と呼ばれる存在」と意気込んだ。短鎖脂肪酸を効果的に産生できれば、国の医療費の削減や健康寿命の延伸といった社会課題解決に貢献できるという。

協会のミッションは短鎖脂肪酸の普及により、「腸から新たな健康リテラシー構築」を目指す。「腸活」の新たな指標として「短鎖脂肪酸」という生活者認知を確立させることにある。具体的な活動内容は①先進研究と企業・生活者をつなぐ情報発信②生活者が関連商品を安心して選択できるきっかけづくり③流通業界との連携による市場拡大④企業の研究・社会実装を支援⑤行政との協働による普及推進の5つ。②では認定マークの付与も行うが、現時点で公表できる企業・商品は明かされなかった。

正会員は江崎グリコ、カルビー、ホクト、Mizkan、明治の5社。一般会員に森下仁丹。賛助会員にアサヒグループ食品、ニコリオ、フジ日本、森永乳業の4社が参画する。

また、同協会では10月に短鎖脂肪酸の認知調査も行っている。2人に1人が腸活を実践しているが、4割近い人が実感できていないことが判明。腸活として短鎖脂肪酸の産生に取り組んでいる人はわずか5.4%で、認知度についても16.7%と低く、その内6割以上は理解できていないという結果に。なお短鎖脂肪酸を認知・理解している人のうち8割近くが「効果を実感できている」と回答しており、便通改善、免疫強化、睡眠の質改善など幅広い効果を実感できているようだ。

短鎖脂肪酸の有用性を語る、左から福田氏、内藤氏、金氏

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