国内初の製品LCAも導入
日清製粉グループ本社は、日清製粉ウェルナ2024年春家庭用・業務用新製品発表会を2月8日に都内で開催。日清製粉ウェルナ・岩橋恭彦社長が、3つの成長戦略「海外事業」「業務用事業」「冷凍食品事業」における2024年の方向性を示した。
社名変更から今年で3年目。CI認知度向上に重点を置く同社は、持続力・成長力・競争力の3つの力を強化し、①コア事業の強化②3つの成長戦略③成長を支える8つの基盤強化の経営戦略に取り組む。2023年度は、冷凍食品で業務用が120%超、業務用は外食需要の回復等もあり2桁伸長と好調に推移。24年度に向けた助走期間と位置づける海外事業も近々正式発表する案件を控えるなど、岩橋社長は3つの成長戦略に手応え。24年はコア事業の進化と成長戦略を加速して行く方針を示した。
市場は緩やかなコストインフレを背景に、生活者の節約意識は継続する一方、価値あるものには支出を惜しまないといった2つのニーズがこれまで以上に顕著になると分析。そうした消費者ニーズを踏まえたプライシング戦略をポイントに挙げた。
例えば「早ゆでスパゲティ」は価格改定から平均売価は上昇を辿るが、出荷量も19年比で141%と平均売価を上回る右肩上がりでの成長が続いており、初めて最も売れたパスタの第1位に。
また環境へのさらなる取り組み強化も進める。製品の原料調達から廃棄までの製品ライフサイクルにおける環境影響の算定手法「製品ライフサイクルアセスメント(製品LCA)」を、国内食品メーカーでは初めて導入。検査・検証・試験およびISO認証業界においてトップのSGS日本法人から「パスタ乾麺」「パスタソース」「冷凍パスタ」「プレミックス」の4つの家庭用製品カテゴリーを対象にした算定方法について、昨年7月に妥当性評価を得た。
例えばパスタ乾麺では、二酸化炭素相当量(CO2e)は、家庭での調理・喫食段階で全体の約56%を占めることが判明し、早ゆでタイプを使うことで約15%の削減が可能となる。今後の訴求ポイントとなりそうだ。
また製品面では、「マ・マー THE PASTA 贅沢野菜」シリーズの外袋に業界初の脱蒸機能を装備し、トレイのトップシールを廃止。さらに紙トレイ化し、従来比でプラスチック使用量を約70%削減する。もちろん中身の品質向上にも着手し野菜を増量した。
業務用事業ではDX施策によるNB製品の強化と浸透を図る。昨年11月に中部・静岡で放映した業務用顧客向けのCMを今春は関西で放映する。
来年は「フラワー」「マ・マー」が発売70周年。「青の洞窟」は30周年を迎える。今年3月から「パスタの未来はマ・マーから」をテーマに、新CMも放映する。
そのメモリアルイヤーに向けて、今春の新製品は①「本格・簡単・便利」②「国産ニーズ」③「おいしさ・健康・環境」④「価値に見合った価格」⑤「人手不足の解決」の5つを重点テーマに設計。伊藤俊二取締役プロダクトマネジメント統括部部長は「おいしさ・健康・環境に最も重点を置いた」とし、家庭用で全50品(常温34品/内リニューアル15品、冷凍16品/同4品)、業務用冷凍食品6品の合計56品を発売する。発売日は常温2月20日、冷凍3月1日。販売目標は常温20億円、冷凍30億円、業務用10億円の合計60億円の計画。
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