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正月鏡餅の初荷が関東方面へ出発/サトウ食品

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持続可能な文化継承を願う

佐藤元社長

サトウ食品は今年で12回目となる「サトウの鏡餅出発式」を11月8日、新発田工場(新潟県新発田市)で行った。正月に飾る鏡餅をお祓いして、無病息災、交通安全、商売繁盛を祈願する。

最高気温は15度前後ながら、この時期としては異例の穏やかな日差し、ハチが飛び回る温かさの中で出発式が行われた。新発田工場では鏡餅の生産がフル稼働で行われており、包装餅業界は繁忙期に入っている。地元・諏訪神社から神主が訪れて神事が滞りなく進んだ。初荷を積み込んだトラックが約192ケース(約770㎏)を積み込み、関東方面に向けて出発。それを見送った関係者の姿に、鏡餅商戦の本番入りを感じさせた。

式後に報道陣と会見した佐藤元社長は、鏡餅に対する思いを語るとともに、猛暑から不安視される原料米についてコメント。新潟県ではうるち米の一等米がほぼない状況ながら、「不思議ともち米には影響がでなかった」と話し、包装餅と鏡餅への不安を一掃した。

ただパックごはんに関しては話が別で、「今年の新米を使った炊飯はとても難しかった。先日、ようやくOKを出したところ」と語った。

家庭でも同様となるが、高温障害を受けた米は水分を含みやすくもろい。米の研ぎ方、浸水、水の量、炊飯時間など炊飯条件が難しくなる。商品は内容量が決まっている。食味も含めて変わらず製品を供給できるかが、思っている以上に難しい。食味を含めた品質で高い評価を得ている「サトウのごはん」だけに、非常に慎重な製品テストを繰り返したという。

一方、10月末日の受注締めを終えた鏡餅。流通からの理解も得られ、「おおむね順調に着地できた」と佐藤社長は語る。ただ今年は初年度。次年度以降に向けてさらなる浸透を図っていく。新発田工場でも、現状の人員を確保し続けるのは難しい。さらには、来年は物流の2024問題に直面する。佐藤社長は初荷を積み込んだトラックを指さし、「これが2024年物流問題」とスカスカの荷台を指摘した。

鏡餅市場では年々売れ筋商品の小規模化が進んでおり、メーカーの商品開発もそこに力を入れている。鏡餅文化の持続可能性を最優先に、あらゆる角度からの見直しが必要となりそうだ。

今年の鏡餅新商品

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