高効率物流の構築進む
コカ・コーラボトラーズジャパン(CCBJI)は5月27日、国内最大級の保管・出荷能力を備える自動物流センター「明石メガDC」(兵庫県明石市、明石工場内)の竣工式を行った。2021年に稼働開始した埼玉メガDCに次ぐ最新鋭のセンターで、7月から本稼働を開始する。
明石メガDCは延床3万3056㎡で保管容量6万パレット、出荷能力8千万箱。大阪府・兵庫県全エリアの物流を担う。投資額は155億円。地域のセールスセンター(営業拠点)の保管在庫を来年3月には完全に取り込み、来夏にはフル稼働を予定。対象のセールスセンターは在庫を持たないクロスドッキング方式となり、得意先や自販機などへの効率的な供給体制を確立する。
設備の自動・デジタル化により出庫にかかる時間、人員による作業工程を短縮。特に陸上では珍しい自動設備RORO(roll-on/roll-off)ステーションは、約1500箱(500mlペット換算)の製品を一括してトラックに荷役できる。フォークリフトでの作業と比較した場合、積み込み・積み下ろし作業時間を約7割削減することが可能。
また、混載パレタイジングロボットは、複数の製品を一つのパレットにまとめて積み付け、配送に回すもので、この規模のDCではまだ少ない。異なるサイズの製品を効率良く積み込む機能を有する。
このほかパレット自動倉庫は高密度保管システムを採用。高速搬送台車は入荷した製品をパレット自動倉庫へ入庫、積み付けた混載パレットを出荷エリアへ移動させる設備で、走行速度は分速200mとスピーディーな搬送が可能。
埼玉メガDCは順調稼働しており扱い数量も増加。最高SCM責任者兼SCM本部長のブルース・ハーバート執行役員=写真=は明石工場にも最新技術を備えた大規模自動倉庫が完成。仕分け、ピッキングも当DCで完結するとした上で、「エンド・ツー・エンドまでの高効率なネットワークを構築する」と話した。
SCMトランスフォーメーション、シム・デービッドシニアグループ統括部長は、今後のメガDCについて「早期にマスタープランを策定し、セールスセンターのさらなる集約を進める」と語った。
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