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満を持して神戸で開催
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服部社長
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鎌田会長
日本アクセスの物流パートナー企業77社で構成するアクセスロジスティクス会(会長:SBSホールディングス鎌田正彦代表取締役)は、2月25日に第13回総会をANAクラウンプラザホテル神戸(神戸市)で開催、加盟企業108社・228人が集まった。これまで関東圏で行ってきた同総会が西日本で開かれるのは初めて。2020年に神戸開催を予定していたがコロナ禍により断念。5年の歳月を経て、満を持しての開催に至った。改めて日本アクセスと地域の物流パートナーの結束を深めた格好だ。
日本アクセス・服部真也社長は第8次中期経営計画の最終年度である今期業績について、その進捗率を示し順調推移であることを説明した一方で、販売先での買い上げ点数の減少などから「引き続き稼ぐ・削る・防ぐを徹底する」と話し物流パートナーのさらなる協力を求めた。なお24年度第3四半期業績は売上高1兆8538億円(通期計画2兆4200億円、進捗率76.6%)、経常利益266億円(316億円、84.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益181億円(211億円、85.8%)。※経常・純利益は23年度に達成
25年度からの新中計は策定中だが、最適物流に向けた拠点整備では10月に新神戸物流センター、11月に埼玉低温物流センター、さらに26年4月に相模原フローズン物流センターを稼働予定(センター名はいずれも仮称)。首都圏、近畿圏を中心にエリア特性を意識した中長期目線での拠点整備を行う。
物流における取組課題に①荷待ち時間②人件費高騰・人手不足③燃料・光熱費の高騰④食品価格の高騰を挙げ、それぞれ対応を図る。昨年7月から物流統括管理担当者として宇佐美文俊専務がCLO管掌に就任しており、来期からはロジスティクス管掌を2人体制にしてこれらの課題に取組む。これまでも入庫管理システムやパレチゼーション推進による荷待ち時間の解消、MOVO活用による人手不足への対応などを進めてきた。現在はアイリスオーヤマ・エナジーセイバーを全国のチルド庫で導入開始。コンプレッサーを止めずに温度調整ができるため、機械の負担が少なく冷蔵設備の電力消費は約20%削減できている。現状はチルド庫限定の取組みだが、今後は冷凍センターへの拡大も検討する。また人手不足への対応としてスキマバイトアプリ・タイミーも紹介。
物流クレームは1件 フロチル事故件数は2件とそれぞれ増加したが、PB・留め型の誤出荷は3件の改善が図れた。
総会では鎌田会長が挨拶。4月から多重下請け構造の禁止など政府の後押しが活発化することから「物流業界もドライバーの給料を上げて、人が集まりやすい持続可能な市場を目指したい」と話した。事業・収支の報告・計画はいずれも承認され、入退会企業が発表された。新規入会はコア物流、コスモトランスポート、三峯の3社で退会は三友通商の1社だった。
宇佐美専務は物流事業の方針を解説。4月1日付で副社長に就任することを報告した。ロジ担当者が副社長に就く例は業界全体でも少ないが「これが日本アクセスの意思表示」と話した。服部社長はEC、ノンフード、情報卸を中心とした新規事業の担当を継続、それぞれの担当分野を明確にして全社的に「変革・挑戦」を推進する。宇佐美専務は商品単価と物量の推移、コスト動向の見通しなどを説明したほか、ファミリーマートへの物流提案も紹介した。
このほかCVS物流分科会についての説明、全国物流改善事例・優秀事例発表が行われ、トプレック・石川公之社長による「2024年問題 その先の課題解決に向けて」とした講演も実施。また物流評価制度における表彰式も行った。
最後に佐々木淳一会長が登壇。「物流パートナーは当社にとって大切な財産」とした上で、同社と物流企業、メーカー、得意先とともに積載効率の改善や人時生産性の向上に取組むことを呼び掛けた。
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