三輪素麺の卸値を占う「卜定祭」を開催
奈良県三輪素麺工業協同組合(小西幸夫理事長)と奈良県三輪素麺販売協議会(池田利一会長)は2月5日、大神神社(奈良県桜井市)で今年の三輪素麺の卸値を占う神事「卜定祭」を開催した。
当日は、三輪素麺の製造・販売関係者をはじめ、製粉関係者や全国乾麺協同組合連合会の日永田和隆専務理事、日本手延素麺協同組合連合会・兵庫県手延素麺協同組合の井上猛理事長ら約80人が参列。神事では祝詞が奏上され、巫女による「浦安の舞」や玉串拝礼などが厳かに執り行われた。今年の神託では「誉18㎏木箱」3年振りの高値(1万2000円)と示され、参列者の間には安堵と期待の表情が広がった。その後は三輪そうめん音頭保存会、共同組合婦人部による三輪素麺掛歌が披露され、華やかな雰囲気に包まれた。
近年、素麺業界は人材不足や原材料の高騰といった課題に直面している。そうした中で、小西理事長は「安心・安全な素麺を届けることが我々の使命」と強調。また、今回の高値について「この神託を励みに、三輪素麺の価値向上に一層努めていく」と意気込みを語った。
直会では井上理事長が「通年商材が望まれる今の市場に、業界全体で柔軟に対応していくことが重要」と指摘。また、池田会長も「生産者の減少は課題ではあるが、品質の向上は追求すべき」と述べ、「雪の中 高値引き当て 春が来る」と一句を詠み、三輪素麺のさらなる発展への決意を新たにした。
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